【スペシャル対談 + コラム】

ベイリー・ギフォード・小宮 健一 
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楽天証券経済研究所篠田 尚子

【本編】S&P500に勝てる?年金が採用する「成長株」、ホントにいいの?
【コラム】魔法の世界?エディンバラにすごい運用会社があった

 オープンな企業文化に育成されたダイバーシティなファンドマネジャーたちが、チームプレーに徹して議論を重ね顧客の資産運用に全力を尽くす。年金運用も任されるベイリー・ギフォード社が拠点を置くのは、スコットランドの首都・エディンバラだ。

 イギリスを構成する4地域の一つ、スコットランドの面積は7.8万㎡。人口は約547万人(2020年時点)。緯度はモスクワと同じで、日本に近い地域で言うならカムチャッカ半島だ。冬の季節は、朝は9時過ぎないと明るくならないし、午後は3時半には暗くなるが、西岸海洋性気候のため、気温は酷寒というほどでない。スコットランドの南に位置するエディンバラは、緑豊かで、ビジネスにも生活にも向く都市機能を備えている。

 そのエディンバラに拠点を構えるのが、1908年に創業したベイリー・ギフォード社。創業以来今日まで100年以上にわたり、「長期投資の哲学」に基づいて、グローバル株式投資の世界で運用実績を積み上げ、世界の年金基金を始めとした機関投資家から資産運用を任されてきた。

 同社に優れたファンドマネジャーが多いのは、人材採用の伝統による。欧米の運用会社には珍しく新卒や新卒扱いの人を採用して自社で育成する方針であることと、出身学部を問わないこと。

 何千人という応募者の中から、毎年10人前後の新人を採用し運用部門に配属しているが、出身学部は歴史、工学、医学、心理学など58学部に及び、経済学や経営学を修めたものは少数派だ。国籍も豊かで27カ国(2020年9月時点)。このようにダイバーシティを推進した結果、さまざまな視点から意見が出されるようになり議論が一層深まっている。

 投資家の視点では、優れたファンドマネジャーだからこそ異動になったり、他社へ移籍してしまったりというリスクが高いのではないかと危惧する。

 だが、ベイリー・ギフォード社は、外部の株主が存在しないパートナーシップ制を採用しているため、中堅以上になるとパートナーになりたいというモチベーションが働くようになる。そのため終身雇用制ではないものの離職率は長年にわたって5%前後にとどまっているという。

 オープンでポリティクス(政治的な駆け引き)のない企業文化を持ち、ファンドマネジャーたちはお互いを尊重し合ってチームプレーに徹する。スターファンドマネジャーは設けない主義だ。銘柄を選定する会議も異色だ。

 ベイリー・ギフォード社のLTGG戦略※のチームは、「冒頭20分」という独自のルールを設けている。

 一般的な会議では、ある人が調査し尽くした「推し」の銘柄を俎上(そじょう)に載せると、参加者にバイアスがかかり、「本当に大丈夫なのか」「株価が高いのではないか」といったネガティブな意見が出がちだ。それを避けるため、LTGGチームは冒頭20分、その銘柄が何倍にもなる可能性があるのかという前向きな議論をする。

 ファンドマネジャーたちが運用に集中できる環境が、LTGG戦略の好成績の源泉だ。

※LTGG戦略とは、ベイリー・ギフォード社のグローバル株式運用戦略である「ロングターム・グローバル・グロース戦略(LTGG戦略)」のことです。そのLTGG戦略を、三菱UFJ国際投信が設定・運用している「ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド(愛称:ロイヤル・マイル)」は活用しています。

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設定・運用…三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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