バフェットになれる?「投資する価値のある」アクティブファンドとは?

 2021年は、投資信託の世界も米国株一色の1年となりました。投資家の関心が集中するのも当然です。

 というのも、S&P500指数連動型のインデックスファンドは、足元1年間で40%以上も上昇したほか、テーマ型の一部やレバレッジ型(いわゆる「てこの原理」を利かせて投資資金の何倍もの投資効果を追求する投資信託)に至っては、インデックスファンドの2倍、3倍のリターンをあげました。

 米国株市場の先行きを巡っては、総じて強気な見方が目立ちます。インフレリスクの高まりと金融政策の行方には懸念もくすぶりますが、たった1年でこれだけ大きな上昇を経験してしまうと感覚がまひしがちです。

 しかし、あくまでも資産運用を成功させるための基本は、長期分散投資。米国の著名投資家ウォーレン・バフェットは、企業の本質的な価値を見極め、割安な水準でその企業の株式を購入し、長期に保有するという投資手法でリターンを積み重ねてきました。

 そこでここからは、2022年以降の長期投資でも、好調な米国株「一本勝負」でよいのか迷っている方のために、3つの視点で「投資する価値のある」アクティブファンドをご紹介します。

積み立てとも相性がよいREITとインド株

 好調に推移する米国株の影にすっかり隠れてしまいましたが、実は、先進国REIT(リート:不動産投資信託)とインド株式も、2021年に米国株と同等のリターンをあげていました。

 いずれも基準価額の変動幅が大きいため、ポートフォリオの主役というよりは、脇役的な立ち位置で積み立てるとよいでしょう。

厳選アクティブファンド1:新生・UTIインドファンド

 インド株式は、指数を構成する銘柄数が少ないため、単体で投資するなら事実上アクティブファンド一択になります。当ファンドは、相対的な信託報酬率は高めですが、その報酬率をもってしても長期にわたって高いリターンを獲得しています。

厳選アクティブファンド2:ひとくふう先進国リートファンド

 先進国REITは、長期投資に向かない定期分配型が多いため、迷ったらインデックスファンドでも構いません。当ファンドは、インデックスファンド並みの低い信託報酬ながら、安定的にインデックスを上回る成績を収めています。

日本株は優良なアクティブファンドの宝庫

「投資に値するアクティブファンド」の代表格は国内株式=日本株です。

「トウシル」の数々のコラムで筆者が繰り返しお伝えしてきた通り、米国の株式市場ほど自浄作用が機能していない日本株式はアクティブ投資が「勝てる」余地が大きく、結果として優良な成績を収めているアクティブファンドが多いのです。

 米国株式市場は、時代ごとに成長性の高い企業が時価総額上位に名を連ね、敗者は自動的に退場していくというサイクルができあがっています。

 日本の株式市場には米国市場ほどのダイナミズムは見られませんが、これは言い換えれば、超過収益を獲得できる余地が大きいということでもあります。「個別株投資はハードルが高い」と感じる方にも、銘柄選びのヒントが詰まった日本株アクティブファンドはおすすめです。

■参考記事:「日本株は米国株より低迷」ってホント?実はリターン○%以上の優良ファンド多し!

厳選アクティブファンド3:スパークス・新・国際優良日本株ファンド

 高い技術力やブランド力があり、世界的な活躍が期待できる日本企業を厳選し、投資を行います。組み入れ銘柄を20銘柄程度まで厳選し、長期保有するのが特徴です。日本のような経済成長率が長らく低迷する国では、銘柄を厳選し、優良企業に長期で投資するのが重要といえます。

厳選アクティブファンド4:One国内株オープン

 市場環境に応じて、大型株だけでなく、小型成長株も柔軟に組み入れる点が最大のポイントです。20年以上の運用実績を誇る「超・長寿ファンド」で、中長期にわたってTOPIX(東証株価指数)を上回る良好な成績を収めています。

それでもやっぱり米国株に魅力を感じるなら…

 既に米国株のインデックスファンドを保有している、あるいは積み立てていて、それでもなお投資対象として米国株に魅力を感じるなら、投資資金の一部をアクティブファンドに振り向けてもよいでしょう。

 先述した日本株とは対照的に米国株は、インデックス=市場平均を上回る超過収益をあげ続けることが難しい市場です。そうした中にあっても、下記の銘柄は、時代に即した銘柄を選定・組み入れることで、長期にわたって安定したリターンを獲得してきました。

厳選アクティブファンド5:アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)

 米国株式を投資対象としたアクティブファンドの中でも、市場環境に大きく振り回されることなく、安定して市場平均を上回る成績を残しています。「持続的な利益成長が期待される企業は、景気や市場環境の影響を受けにくい」という投資哲学がパフォーマンスにも表れています。

 本シリーズは、為替ヘッジの有無と決算回数別にA、B、C、Dの4つのコースが展開されています。積み立てをはじめとする長期投資が前提なら、Bコースの当ファンドがよいでしょう。