大株主の保有銘柄を参考にする
上場企業は約3,800社ありますが、その中からどのように銘柄を選定していったらよいかは簡単ではなく、悩まれている方もいるのではないでしょうか。7月29日掲載のコラム「手っ取り早く銘柄選定する方法とは?」において、「投資信託の組入銘柄を参考にさせていただく」という方法をお伝えしましたが、第2弾として別の方法についてお伝えしていきたいと思います。
その方法とは、「大株主の保有銘柄を参考にさせていただく」というものです。
私は銘柄選定をする際に、バリュー投資の考えをベースにしていて、次の点を重要視しています。
- 大型株ではなく、中小型株
- 割安であること
- 割安なだけでなく成長性も備わっていること
- キャッシュリッチ(有利子負債よりも現金・預金などが多い)であること
このような視点で会社四季報を1ページ1ページ見ていったりしながら、219銘柄を注目銘柄としてピックアップしていますが、その銘柄の大株主を調べてみると、次の2株主が多く載っています。
- BBH FOR FIDELITY LOW-PRICED STOCK FUND(BBHフィデリティ・ロープライスド・ストック・ファンド)
- NORTHERN TRUST CO.(AVFC)REFIDELITY FUNDS(ノーザン・トラスト(AVFC)リフィデリティ・ファンズ)
自分の注目名柄を選んでいる2つの大株主
具体的にみてみると、BBH FOR FIDELITY LOW-PRICED STOCK FUNDが大株主になっている銘柄で、私の注目銘柄と重なっている銘柄は、次の19銘柄です。(推奨銘柄ではありませんので、ご留意ください。)
コード | 銘柄名 | 業種 |
---|---|---|
2925 | ピックルスコーポレーション | 食料品 |
3371 | ソフトクリエイトホールディングス | 情報・通信業 |
3433 | トーカロ | 金属製品 |
3763 | プロシップ | 情報・通信業 |
4326 | インテージホールディングス | 情報・通信業 |
4659 | エイジス | サービス業 |
4966 | 上村工業 | 化学 |
5982 | マルゼン | 金属製品 |
5999 | イハラサイエンス | 金属製品 |
6957 | 芝浦電子 | 電気機器 |
7292 | 村上開明堂 | 輸送用機器 |
7438 | コンドーテック | 卸売業 |
7504 | 高速 | 卸売業 |
7595 | アルゴグラフィックス | 情報・通信業 |
7634 | 星医療酸器 | 卸売業 |
9037 | ハマキョウレックス | 陸運業 |
9058 | トランコム | 倉庫・運輸関連業 |
9687 | KSK | 情報・通信業 |
9960 | 東テク | 卸売業 |
NORTHERN TRUST CO.(AVFC)REFIDELITY FUNDSについては、次の21銘柄です。
コード | 銘柄名 | 業種 |
---|---|---|
1414 | ショーボンドホールディングス | 建設業 |
2292 | S FOODS | 食料品 |
3076 | あい ホールディングス | 卸売業 |
3433 | トーカロ | 金属製品 |
3657 | ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス | 情報・通信業 |
3673 | ブロードリーフ | 情報・通信業 |
3733 | ソフトウェア・サービス | 情報・通信業 |
3964 | オークネット | 情報・通信業 |
4716 | 日本オラクル | 情報・通信業 |
6157 | 日進工具 | 機械 |
6268 | ナブテスコ | 機械 |
6920 | レーザーテック | 電気機器 |
7605 | フジ・コーポレーション | 小売業 |
7749 | メディキット | 精密機器 |
7839 | SHOEI | その他製品 |
8117 | 中央自動車工業 | 卸売業 |
9381 | エーアイテイー | 倉庫・運輸関連業 |
9386 | 日本コンセプト | 倉庫・運輸関連業 |
9757 | 船井総研ホールディングス | サービス業 |
9928 | ミロク情報サービス | 情報・通信業 |
9962 | ミスミグループ本社 | 卸売業 |
この2株主は、自分の視点と同じような視点で銘柄選定をしていると考えられます。このため、逆にこの株主が大株主となっている銘柄をピックアップして、その銘柄を調べていくことによって、約3,800社からではなく、効率的に手っ取り早く選んでいけるということにもなります。
この方法は、残念ながら大型株には適用できず、中小型株を対象とした、かつ、バリュー投資の考え方をベースとした投資に限られたものとも言えますが、自らの注目銘柄に共通する大株主がいないかという点で調べてみると、今回取り上げた株主だったり、はたまた企業だったり、個人だったり、意外な株主が登場してくるかもしれません。
共通する大株主がいた場合には、その株主が保有しているほかの銘柄を調べてみるとよいでしょう。もしかしたら、自分の考えに合ったキラリと光る銘柄に出会えるかもしれません。
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