読者の方から、「5万円くらいの優待銘柄ないか」と質問をいただきました。今日は、10万円以下、5万円以下など投資に必要な金額を指定して、優待銘柄をスクリーニングする方法を解説します。
 その前に、優待投資の良い面と悪い面について簡単にお話しさせてください。

優待投資の良い面と、悪い面

株主優待とは

 日本には、「株主優待」という世界でも珍しい制度があります。上場企業が、株主に感謝して贈り物をする制度です。

 株主への利益還元は、本来は配当金で行うものです。ところが、日本の個人株主の一部に、お金(配当金)をもらう以上に贈り物を喜ぶ傾向があることから、日本には、積極的に株主優待を実施している会社が多数あります。

株価を見ない?優待投資家

「株主優待」目当てで株を保有する投資家には、いい意味でも悪い意味でも、短期的な株価変動を見ない傾向があります。

「いい意味で……」とは、「結果的に落ち着いて長期投資ができる」ことを言っています。魅力的な優待を提供している小売・サービス業には、安定的に業績を成長させ、株価が大きく上昇したものも多数あります。

 毎日、株価を見て一喜一憂していると、株価が少し上がると売りたくなり、逆に、悪い材料が出て下がってきても売りたくなります。長期的な株価上昇を取るには、短期的な値動きは見ない方がいいこともあります。

重大な悪材料が出て、株価が大きく下がる場合は、いったん売った方が良い

 優待投資家は、一時的に業績が悪化して、株価が下がっても、あわてて売らない傾向があります。それは、長期投資家としての良い面です。

 ただし、悪い意味でも、株価を見ない傾向があります。重大な悪材料が出て、株価が大きく下がる銘柄は一度、売った方が良いと思います。

 2010年1月に会社更生法を申請した日本航空(JAL)株には、株主優待券(航空運賃の50%割引券)目当ての個人投資家がたくさんいました。財務や業績に重大な問題が発生し株価が大きく下落していましたが、優待目当ての投資家は売らずに持ったままでした。問題をかかえて株価が急落する銘柄は、一度、売った方が良いと思います。

 いつ売ったらいいか判断がつかないようでしたら、自分でルールを決めましょう。たとえば、「買ってから株価が20%以上、下がったら売る」などです。それが、重大な問題をかかえて、下げ続ける銘柄を持ち続けないための知恵です。

優待廃止あるいは優待内容を大幅にカットする企業は「売り」

 優待投資家は、業績は見ないでも、優待内容の変更はよく見ています。優待廃止や、優待内容を大幅にカットする場合は、売ることが多いと聞いています。その「売り」の判断は良いと思います。優待をカットする企業は、業績や財務が悪化し始めていることが多いからです。

自分で魅力的な優待銘柄を探すには、まず、楽天証券の「株主優待検索」を開く

「株主優待検索」はこちら(楽天証券ウェブサイト) 

 楽天証券ウェブサイト上にある「株主優待検索」の画面を開く方法は、以下の通りです。

パソコンからログインしないまま「株主優待検索」を使う場合

 楽天証券のウェブサイトに入り、「国内株式」、続いて「株主優待」をクリックしてください。

 続いて、以下の「株主優待検索」をクリックしてください。

パソコンからログインして使う場合

 ログイン後の画面から、以下の通り、国内株式→株主優待とクリックしてください。

 すると、上記のように、画面の下に「株主優待検索」があらわれます。ここから、「銘柄条件を指定」に、好みの絞り込み(スクリーニング)条件を入れて、銘柄を絞り込んでいきます。
開いたばかりだと、まだ何も絞り込み条件が入っていませんので、最初は優待を実施している全銘柄が出ています。上の画面を見るとわかる通り、2021年8月16日時点で、1,454銘柄あります。

 絞り込みで出てきた銘柄の並び順ですが、最初は「権利付き最終日の近い順」に並んでいます。ぜひ、試していただきたいのは、これを「人気順」に変えることです。楽天証券の口座で保有している株主数の多い順に「人気がある優待銘柄」とみなし、保有者の多い順に「人気順」として並べます。

 人気上位銘柄に、時に優待内容はさほど人気がないのに、他の理由で保有株主数が多くなっている銘柄(たとえば配当利回りが高い)が出てくることもあります。しかし、おおむね、優待の人気が高い銘柄が出てきます。どういう優待が個人投資家に人気なのか、参考にすることができます。

スマホから、楽天証券ウェブサイトに入って使う場合

 左上の「メニュー」をクリックし、メニュー画面を出してください。そこで「国内株式」を選択してください。「国内株式メニュー」で画面を下へスクロールしていくと、「株主優待検索」が出てきます。そこをクリックして使ってください。

いろいろな絞り込み条件

 それでは「株主優待検索」を使って、いろいろな絞り込みを実際にやってみましょう。パソコン画面を例にご説明します。スマホでもほぼ同様の検索ができます。

 パソコン画面で、検索したい条件を左側に入力すると、検索結果が右側に表示されます。たとえば、「9月に優待の権利が得られる」「10万円以下で買える」株を検索すると、8月16日時点で以下の通り、107銘柄が出てきます。

 他にも、おもしろい検索条件を追加できます。自分の好みに合わせて、いろいろなスクリーニングをやってみてください。

 最初にご質問(5万円くらいの優待銘柄ないか)への回答から始めます。以下の画面から投資に必要な金額を指定して絞り込むことができます。

 上限なしの右にあるマークをクリックすると、選択可能な金額のメニューが出てきます。

 投資金額の上限を、5万円・10万円・15万円・20万円……などに変更して、絞り込むことができます。

 また、権利確定月を指定することも、できます。下は、9月・10月・11月・12月を指定している画面です。

 優待内容を指定して、検索することもできます。飲食券や食料・飲料品は、人気優待の定番です。それだけ指定して、検索することも可能です。

 私がここで注目しているのは、「継続保有特典」ありの銘柄です。長期に保有していると、受け取ることが可能な優待が増えていくようにしている銘柄が出てきます。

 他にも、追加で、いろいろ条件指定が可能です。実際に試してみてください。
なお、株主優待内容は、予告なしに変更・廃止されることがあります。常に、最新の情報を確認するようにしてください。

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