今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.20円
↓下値メドは109.15円
シュリンクフレーションとは、お菓子とか弁当などの商品の値段は変わらないまま、内容量がシュリンク(収縮)していく経済現象のこと。インフレの形態の一つ。ステルス値上げとも呼ばれる。
5日(木曜)のドル/円は上昇、109円後半まで「円安」。高値109.79円、安値109.41円、1日の値幅は0.38円。
この日は、109.47円からスタート。下値は堅く、安値は欧州時間の109.41円。安値が108円台より円安だったのは3営業日ぶり。NY時間にはドル買いが強まり、109.79円まで上昇。終値は109.78円(前日比+0.30円)。
マーケットの雰囲気が変わりはじめたようです。FRBの政策リーダー的存在であるクラリダ(米連邦準備制度理事会)FRB副議長が、2013年の米利上げに支持を表明し、それに続いて複数の連銀総裁がFRBの緩和縮小に肯定的な発言をしたことが理由。
ドル/円は109円台で堅調ですが、かといって大きく上昇するわけでもない。この日も高値は109円台止まり。110円台はFOMC(米連邦公開市場委員会)会合があった7月28日以来見ていません。FX市場はドル高に対してまだ慎重なようです。
パウエルFRB議長はFOMC会合で、「緩和縮小をいつ開始できるかは、雇用市場にかかっている」と発言しています。今夜は7月の雇用統計の発表日。民間版雇用統計であるADP雇用データは、予想を大きく下回る結果でした。やはり、緩和縮小はまだ無理なのか?しかし、雇用者が増えないのはある理由のせいでした。詳しくは7月雇用統計詳細レポート「雇用100万時代がやってくる?やっぱアメリカ、ハンパねえっす!」をお読みください。
しかし、強い雇用統計と強いドルにあまり期待を持ちすぎるのは注意。ドル/円には特徴的な動きのパターンがあるからです。今日の注目通貨をご覧ください。
主要指標 終値
今日の一言
老いとは、年齢ではなく、適応力の喪失である
Play That Funky Music
前回6月の雇用統計の結果は、一言でまとめると、「良い方向に進んでいる」。決して弱いわけではないけれど、驚くほど強いわけでもなかった。
ワクチンの普及と経済再開で、コロナの被害の大きかった娯楽や飲食業に従業員が次々と戻った結果、非農業部門雇用者数(NFP)は、85.0万人増(5月58.3万人増、4月27.8万人増)となりました。しかし大きな賃金上昇圧力は見られない。平均労働賃金は前月比0.3%増(5月0.4%増、4月0.7%増)。雇用者数は順調に増えているが、ブレーキ(利上げ)が必要なほどのスピードはない。FRB(米連邦準備制度理事会)にとってみると、まさに「ちょうどいい」結果となりました。
労働参加率が横ばいのなか失業率がわずかとはいえ上昇したことは、雇用市場が引き続きFRBの緩和政策を必要としていることを示している。FRBのハト派メンバーにとっては、緩和縮小を急がない理由になります。少なくともタカ派の連銀総裁の先走りを抑える効果がありました。
米国ではコロナ禍によって、昨年3月と4月のたった2ヵ月の間に2200万人もの雇用が失われました。それから先月までかけて雇用者は1,560万人増加したのですが、コロナ前の2020年2月に比べると、まだ640万人少ない状況です。
パウエルFRB議長は以前、月間100万人近い雇用増を見たいと発言しています。もしその通りに、非農業部門雇用者数が1カ月に100万人増えていくと仮定するならば、今年12月には、米国の雇用市場はコロナ前の完全雇用状態に戻ることができるのです。
FRBが来年1月に、緩和縮小を開始するかどうかは、これから半年間の非農業部門雇用者数がとても重要な要素となってきます。
今日の注目通貨:ドル/円
ドル/円あるある
ドル/円によくみられるパターンとして、月の第1週に発表される米雇用統計の直前あるいは直後の高値が、その月の高値になるというのがあります。その後は下げて月中から月末にかけて安値をつけると、再びそこから翌月の雇用統計を目指して上昇を始めます。
7月は、このパターンが出現しました。米雇用統計が発表された2日に約1年3ヵ月ぶりの円安水準である111.66円をつけ、これが7月の高値となりました(1)。
8日には米長期金利の急低下と共に、110円も下に抜け109.53円まで下落(2)。6月米CPI(消費者物価指数)が13年ぶりの高水準まで上昇したことで、 14日には110.70円まで反発(3)。
ところが、パウエルFRB議長が、金融引き締めに慎重な姿勢を崩さなかったことで、111円には戻れないまま、19日には109.06円まで下落して7月の安値をつけました(4)。感染力の高いコロナ変異株の拡大で世界景気回復が遅れるとの懸念で、マーケットが「コロナオン(コロナ感染拡大による投資家心理悪化)」になったことがドル売りを加速させました。
しかし2営業日後の21日には110円台へあっさり戻し、さらに26日には110.59円まで上伸しましたが、またも111円手前で失速(5)。
28日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)を前にして、FRBのタカ派転向に備えた動きと中国政府の規制強化による株価下落を嫌気して109.58円まで下落。FOMC後には110.28円まで反発しましたが、FOMCが緩和縮小の時期を明示しなかったことが失望を誘い、7月30日には109.36円まで下落しました。
8月はドル売りの流れを引き継いで始まり、ドル/円は5月26日以来の109円割れ。4日には108.72円をつけました(6)。ところが、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策リーダーであるクラリダFRB副議長が利上げを支持する「タカ派」発言をしたことから、一転してドルの買い戻しが優勢に。ドル/円は109.75円まで反発(7)。
ドル/円が8月も定番パターンで動くとするならば、8月の第1週に「8月の高値」をつけることもありえます
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