今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは112.30円
↓下値メドは110.60円
中国が高齢化社会へ。少子化による年金問題の深刻化で老人の消費が縮小
1日(木曜)のドル/円は一段と円安。高値111.64円、安値111.03円、1日の値幅は0.61円。
この日は111.11円からスタート。東京時間午前につけた111.03円がこの日の安値。安値が111円台だったのは、昨年2月以来1年4カ月ぶり。買いたい人は110.20円から110.40円でずっと待ち構えていましたが、ドル/円の上昇についていけず焦り気味にオーダー水準を上げたようで、すでに111円以下が固い。欧州時間に111.63円まで上げた後いったん下げましたが、NY時間に再び上昇すると111.64円まで上昇して昨年3月25日以来の高値をつけました。終値は111.53円(前日比+0.42円)。
今夜の米雇用統計に対する期待がドル/円の買いにつながっています。米雇用統計はここ2カ月連続で非農業部門雇用者数が予想を下回っているのですが、ADP雇用データが強かったことで、強気の見方が広がっています。予想中心値(70.0万人増)を上回る結果になれば、FOMCが公表したタカ派的ドットチャート(金利予想)が現実になる可能性が高まります。もっとも、 米独立記念日でNY市場が休場になるので、本番の雇用統計発表を待てずにフライングした感もあります。
ドル/円上昇のもうひとつの原因に、「悪い円安」が混じりはじめた可能性があること。日本だけ、他の先進国とは逆の方向に進んでいるからです。ワクチン供給に遅れが生じるなかで、感染が再拡大して移動制限の強化へ向かっている。世界の中央銀行が金融政策の正常化を計画するのと対照的に、日銀の緩和政策はいつ終了するのか想像もつかない。日本への積極的な投資をためらってしまう状況です。
世界の投資家は今夜の米雇用統計に注目しています。なぜ、雇用統計が今月のドルの動きを決定づけるといわれているのか?雇用統計詳細レポート「米雇用100万人増時代は本当に来るのか?」をぜひご覧ください。
主要指標 終値
今日の一言
ほんの短い時間でも、ゆったりと「待つ」ことがよい結果を生む場合もある
雇用統計だよおっ母さん
前回の雇用統計で雇用者の増加が予想を下回った理由は、需要というより供給の問題でした。労働力の供給不足の原因のひとつに、良すぎる失業給付金が指摘されています。失業してもらえる給付金が給料より高いのだから勤労意欲が低下するのは当然かもしれません。そこで一部の州が、失業給付金の上乗せ金額の減額を実施しました。するとその途端に求人サイトの閲覧数が5%もアップしたということです。ようやく働く気になったアメリカ人が、一斉に仕事に戻って来るのか。今後の雇用統計は注目です。
給付金の終了は最も早い州で6月中旬なので、影響が現れるのは今回ではなく、来月発表の7月雇用統計からになりそうです。ただし、その時には雇用増が一気に200万人増のサプライズもありえます。そうなれば、FRBの緩和縮小期待が一気に強まることになるでしょう。
5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は55.9万人増加。数字は悪くなかったのですが、2カ月連続で予想を下回る結果となりました。
労働力の供給問題はなぜ発生しているのか?労働力人口が減っているわけではありません。これは全米の企業が経済活動をスイッチ・オンにして、同じタイミングで労働力を必要としたせいで起きているのです。
米国では2020年1月に比べて就業者数が約900万人減少しました。しかし今年4月のデータによると、ほぼ同数の求人募集があった。労働者もいて仕事もあるのに雇用者数が伸びないのは、短期的な雇用のミスマッチの問題と考えられます。
雇用市場は極端な売り手市場で、できるだけ自分を高く売ろうとしたり、より良い仕事を求めて転職を繰り返したりしている人が増えている。米国で4月に仕事を辞めた労働者の割合は、過去20年で最大の水準。失業給付金がたっぷりもらえるから、すぐに働かずにゆっくりと自分に合う仕事を探すこともできる。雇用のミスマッチを原因とした雇用者数低迷はもう少し続くことになるでしょう。
しかし、仕事から離れる期間が長くなればなるほど、いったん流れが変わった時には堰を切ったように人々が雇用市場になだれ込み、雇用統計の雇用者が100万人どころか、月200万人に急増する上向きリスクも高まっています。
雇用市場がタイトになれば、米経済はヒートアップする。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がいくら否定したところで、マーケットは利上げ前倒しを織り込み、米長期金利の急上昇を引き起こす可能性があります。
今日の注目通貨:ドル/円
7月の予想レンジ ↑112.56円 ↓108.70円
7月のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は110.63円。110.63円より上ならばドル買い優勢、110.63円より下ならばドル売り優勢。
114.55円 : 2018年 高値
113.30円 : 第4レジスタンス(HBO)
112.56円 : 第3レジスタンス
112.40円 : 2019年 高値(19年04月24日)
112.22円 : 2020年 高値(20年02月20日)
111.83円 : 第2レジスタンス
111.64円 : 2021年 高値
111.60円 : 第1レジスタンス
110.63円 : ピボット
109.67円 : 第1サポート
109.44円 : 第2サポート
108.70円 : 第3サポート
108.18円 : 2021年 61.8%
107.96円 : 第4サポート(LBO)
107.32円 : 2017年 安値
107.12円 : 2021年 平均値
106.05円 : 2021年 38.2%
104.61円 : 2018年 安値
104.01円 : 2019年 安値
102.59円 : 2021年 安値
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