今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは111.90円
↓下値メドは109.95円
低金利時代はまもなく終わる。米10年債利回りは4%に上昇する可能性も
30日(水曜)のドル/円は円安、111円台にカムバック。高値111.12円、安値110.42円、1日の値幅は0.70円。
1年3カ月ぶりの円安水準に位置しているドル/円はこの日、110.49円からスタート。東京時間夕方に110.42円まで下げましたが、この水準から110.20円にかけての買いは厚い。
NY時間に民間版雇用統計であるADP雇用データが発表されましたが、予想より強かったことからドル買いが強まり、ドル/円は111円を抜けると111.12円まで上値を伸ばし、24日につけた年初来高値に並びました。終値はゾロ目の111.11円(前日比+0.56円)。ドル/円は、ついに終値でも111円台をマーク。終値が111円より円安になったのは2020年3月25日以来、1年3カ月ぶり。
FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げの条件は、インフレと雇用です。インフレは強さを確認できたのですが、雇用統計の非農業部門雇用者数は、2カ月連続で予想より悪い結果となっています。ADP雇用データの強さは、米雇用市場拡大を期待させるものであり、FRBのタカ派転向の理由に当てはまります。もっとも、米独立記念日でNY市場が休場になるので、本番の雇用統計発表を待てずにやってしまった感もあるのですが。今夜の6月米製造業ISMも重要です。なお、明日発表の6月雇用統計については詳細レポート「米雇用100万人増時代は本当に来るのか?」をぜひご覧ください。
デルタ変異株ウイルスによる感染が(ワクチン展開にもかかわらず)急速に拡大していることが、ユーロやポンドの上値を重くしているようです。ECB(欧州中央銀行)やBOE(イングランド銀行)は一時、FRB以上に緩和縮小に前向きで、それがユーロやポンドの大きな買い材料になっていました。しかし、デルタ変異株ウイルスでふたたび慎重姿勢に逆戻りしています。ベイリーBOE総裁(1日)、ラガルトECB総裁(2日)の発言に注目。
主要指標 終値
今日の一言
この仕事(トレーディング)を20年やっていて習得したことがあるとすれば、それは不測の事態や不可能が次々と起こるということだ - リチャード・デニス
To be, or not to be
FOMC(米連邦公開市場委員会)は「タカ派かハト派か、それが問題だ」
FOMCが6月の会合で公表したドットチャート(政策金利の見通し)が投資家を混乱させています。ドルショート戦略を続けるべきか、やめるべきか。投資家は、自分にとって都合の良い解釈をしてポジションをつくり直していますが、方向は定まっていない。全体としていえば、マーケットのドルショートの縮小は確認されているが、純ロングに切り替わったという報告はまだありません。
6月中旬からのドル/円を振り返ると、16日のFOMC会合後にドル全面高の展開となったマーケットでドル/円は111円手前まで上昇。ところが、その後一転して109円台まで下落。
ドル/円に異常事態が発生したわけではない。この動きはクロス円が犯人。円由来の円高ではなかった。FOMCで披露された「タカ派的」ドットチャートが広範なドル買いとドルの買い戻しを巻き起こした結果、ユーロや豪ドル、ポンドなど主要通貨はドルに対して売られました。しかし同時に円に対しても売られたので、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円が下落。円から見ると、ドルに対しては「円安」だけれど、ユーロや豪ドル、ポンドに対しては「円高」。いわば巻き添えをくらって円高になったようなものです。
「米国のインフレは「顕著に加速」しているが、「一過性」」パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長はFOMCの翌週、議会証言でこのような見解を示しました。米経済が回復すれば緩和政策の助け不要になる。その意味では緩和縮小を検討する時期にさしかかっているわけです。一方で、インフレは一過性と考えているので、予防的な利上げなどの対策の緊急性を感じていない。これがFRBの考えですが、問題はいつまでが「一過性」なのかということ。年末までなのか、1年後なのか。期間を予想することはほぼ不可能だとパウエルFRB議長も認めています。
今年の経済指標は、コロナの影響が大きかった1年前との比較で大きく上昇しました。もしインフレがFRBの考えるように一過性ならば、次は逆のことが起こる。つまり、来年の経済指標は今年に比べて大きく下落することになるはずです。来年はインフレではなく「デフレ」を心配することになります。
今日の注目通貨:豪ドル/円
予想レンジ ↑85.77円 ↓81.54円
今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、83.65円。
83.65円より上ならば豪ドル買いが優勢、83.65円より下ならば豪ドル売りが優勢と判断します。
2021年これまでの高値は85.80円、安値は78.85円。平均値は82.33円、値幅は6.95円。
1日の最大値幅は1.84円、最小値幅は0.19円。平均値幅は0.67円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて4.62円の円安。
85.80円 : 2021年 高値
86.58円 : 第4レジスタンス (HBO)
85.77円 : 第3レジスタンス
85.19円 : 06月 高値
84.96円 : 第2レジスタンス
84.71円 : 第1レジスタンス
84.02円 : 06月 61.8%
83.66円 : 06月 平均値
83.65円 : ピボット
83.30円 : 06月 38.2%
82.60円 : 第1サポート
82.35円 : 第2サポート
82.13円 : 06月 安値
81.54円 : 第3サポート
80.73円 : 第4サポート (LBO)
2021年 豪ドル/円データ
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