※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
[動画で解説高配当「金融株」買い場 米国株・最高値、日経平均は膠着
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日経平均は膠着、米国株は最高値

 先週(6月21~25日)の日経平均株価は1週間で102円上昇し、2万9,066円となりました。2万9,000円前後での膠着が続いています。

日経平均日足:2021年1月4日~6月25日

出所:楽天証券マーケットスピードより作成

 一方、先週の米国株は主要株価指数が最高値を更新し、強い動きとなりました。ハイテク成長株の比率が高いナスダック総合指数と、NY証券取引所およびナスダック上場の主力株で構成されるS&P500指数が史上最高値を更新。NYダウは最高値に近づいていますが、まだ最高値に届いていません。

 米国のインフレ高騰は一時的で、金融緩和がすぐに終了することはないとの見方が広がり、ハイテク成長株を中心に米国株を買う動きが広がりました。

 バイデン大統領が24日、インフラ投資に8年間で1兆2,000億ドル(約132兆円)を投じることで議会上院の超党派グループと合意したと発表したことも、株高材料となりました。

ナスダック総合指数・S&P500株価指数、日経平均の動き比較:2019年末~2021年6月25日

出所:QUICKより作成、2019年末の値を100として指数化

日経平均は今しばらくボックス圏、年後半に上値トライか

 日本の景気・企業業績が鮮明になれば、日経平均は再び上値トライすると予想しています。ただし、米国株高が今すぐ日経平均の上昇に波及する状況にはないと考えています。

 今の世界株式市場で、米国株に資金が集中しつつあります。米国株が世界中の株式市場の中で、もっともディフェンシブと見られていることにもよります。世界景気敏感株である日本株までそっくり買い上げるほどの世界的なリスク・オン相場にはまだなっていません。

 日経平均が上値トライするには、4-6月の企業業績が発表され、1-3月よりさらに回復が強まっていることが確認されてからと予想しています。

配当利回りの高い大手金融株「買い場」の判断継続

 今年秋までの日本株市場で、配当利回りの高い景気敏感バリュー株のパフォーマンスが強くなると予想しています。特に、配当利回りの高い大手金融株の投資妙味が高いと判断しています。以下に投資の参考銘柄を挙げます。

投資の参考銘柄:高配当の金融株

コード 銘柄名 株価 配当
利回り
PER PBR 1株
当たり
配当金
8306 三菱UFJ FG 607.9 4.4% 9.2 0.46 27
8316 三井住友FG 3,893.0 5.1% 8.9 0.45 200
8591 オリックス 1,925.0 4.1% 9.4 0.77 78
8766 東京海上HD 5,127.0 4.2% 11.3 0.97 215
8725 MS&AD 3,236.0 4.9% 7.9 0.58 160
出所:配当利回りは今期(2022年3月期)1株当たり配当金(会社予想)を6月25日株価で割って算出。PERは6月25日株価を今期1株当たり利益(会社予想)で割って算出。告知事項:筆者は三井住友FG株を9,000株保有。株価と1株当たり配当金の単位は円。PERとPBRの単位は倍。

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