投資信託って、いつからあるの?
突然ですが、日本で投資信託という金融商品が誕生したのはいつかご存じですか。
答えは、1951年です。この年の6月4日に、現在の「投資信託及び投資法人に関する法律」の原型である「証券投資信託法」が公布・施行され、今年2021年は、日本に投資信託が誕生して、ちょうど70年という節目の年なのです。
70年の歳月を経て、日本では現在6,000本以上の投資信託が運用されています。
この中で最も古いのは、資本金100億円以上の国内大型株に投資する「大型株ファンド」で、1961年12月の設定です。
また、海外株式に投資する投資信託は、外国証券の組み入れが解禁された1970年以降に誕生しました。
そして、現存する最も古い海外株式の投資信託は、1991年7月設定の「JPMアジア・成長株・ファンド」となっています。
運用期間の長さが、必ずしもファンドの良しあしを決定付けるわけではないということは、以前に本連載で解説しました。
とはいえ、運用実績は長くあるに越したことはありません。景気と市場の変動は、一定周期のサイクルで好不況を繰り返すほか、誰も予想し得なかった「ブラック・スワン(※)」的な事象も度々起きるからです。
※ブラック・スワン:予想できず、起こり得ないと考えられていたことが起き、その衝撃が大きい事象のこと
過去の相場急落時に運用担当者が、あるいは、運用会社がどのような投資判断を下したかというのは、ファンドアナリストである筆者も日ごろの調査業務で注意深く確認しています。
では、20年超の「超長期」にわたってリターンを出し続けている投資信託というのは現実に存在するのでしょうか。
20年超、ずっとリターンを出し続けている投資信託は?
解答:2本
「たった2本!」と驚かれた方が多いでしょう。しかし、ここで重要なのは本数ではなく、その中身です。
今回はあえて焦点をリターンだけに絞り(リスクは考慮せず)、さらに、3年、5年、10年、20年という中長期の4つの期間「すべて」においてプラスと、シンプルながらも厳しい条件で絞り込みを行いました。
結果、アジア株を投資対象とする「フィデリティ・アジア株・ファンド」と「アジア製造業ファンド」の2銘柄が抽出されました。
楽天証券「投信スーパーサーチ」で抽出
投資信託はアジア株がリターンを出し続けているワケ
米国株式でも国内株式でもなく、アジア株であったことに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
実はアジアの株式市場は、短期で見ると値動きが大きいものの、長期では、緩やかに右肩上がりの上昇を続けています。米国株式ほどの派手さはありませんが、積み立てとの相性もよいため、部分的にポートフォリオに組み入れることをおすすめしたい資産です。
そのアジア株に投資する投資信託の歴史は長く、中国・香港株式に投資する商品も含めると、運用実績20年以上は5本、10年以上20年未満は62本存在します(いずれも2021年6月10日時点の楽天証券取り扱い銘柄)。
この中には長期にわたって安定した成績を収めている優良な商品も含まれています。例えば、先述した「フィデリティ・アジア株・ファンド」は、リスクも考慮に入れた定量評価指標の楽天証券ファンドスコアでも全評価期間で最高位の「5」を獲得しており、楽天証券ファンドセレクションにも選出しています。
ちなみに、先述の検索条件から3年を外して、少し条件を緩和した5年、10年、20年で絞り込むと、国内株式ファンドが2本入ってきます。
また、検索条件から20年を外し、3年、5年、10年で絞り込むと、本数は100本以上に増え、国内株式のほか、インド株、米国株、欧州株に投資するファンドも入ってきます。
以上、見てきたように、条件を少しずつ変えながらファンドを絞り込んでいくと、新しい世界が見えてくることがあります。
自分で投資信託を選んでみたいという方は、単純な運用年数の長短や、一定期間のリターンだけでなく、複合的な要素を組み合わせて、ぜひ楽しみながらファンド選びにチャレンジしてみてください。
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