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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]NYダウ最高値 雇用回復「遅れ」好感 日経平均反発 景気回復期待つづく」
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NYダウ最高値、日経平均も反発
先週(5月6、7日)の日経平均株価は1週間で545円上昇し、2万9,357円となりました。NYダウの上昇が続いていることから、日本株にも景気敏感株を中心に押し目買いが入りました。
NYダウと日経平均の動き比較:2020年10月1日~2021年5月7日
GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)などハイテク株比率が高い米ナスダック総合指数も、7日に発表された4月米雇用統計が市場予想より弱かったことを「好感」して、反発しました。
ナスダック総合指数の動き:2020年10月1日~2021年5月7日
ナスダックは米長期金利の上昇を嫌気して、2月に一時急落しました。3月以降、米長期金利の上昇が一服する中、業績好調から見直し買いが入り反発しましたが、5月4日に伝わったイエレン米財務長官による「米経済が過熱しないようにするには、金利はやや上昇せざるを得ないかもしれない」との発言が嫌気され、ナスダックは再び下落しました。
ところが、5月7日に発表された米雇用統計は事前予想よりも弱かったため、この日はNYダウ、ナスダックとも上昇しました。
米長期金利の動き:2020年1月2日~2021年5月7日
4月の米雇用統計は市場予測より弱い
7日発表の、4月の米雇用統計は、市場予想より弱く、米長期金利が一時1.47%まで低下しました。ただし、その後、再び1.57%まで上昇しています。
【1】雇用増加が26万6,000人に留まる
4月の非農業部門雇用者数は、前月比で100万人程度の増加が予想されていました。ところが、実際には26万6,000人に留まりました。また、3月の雇用者数(前月比)は77万人増と、前月発表の暫定値(91万6,000人増)から下方修正されました。
米雇用統計・非農業部門雇用者増加数(前月比):2019年1月~2021年4月
【2】失業率は0.1ポイント悪化の6.1%
4月の完全失業率は6.1%で、3月の6.0%から0.1%悪化しました。
米雇用統計・完全失業率:2014年1月~2021年4月
景気指標が市場予想よりも弱いというのは、通常ならば、株にとって悪材料となるところです。ただし、現在の米国株では事情がやや異なります。
年後半に米景気が過熱するリスク、米長期金利が上昇するリスクが警戒されていることが、米国株の弱材料となっているところなので、4月の雇用統計が弱かったことは、米国株にプラス材料となりました。
一気に過熱することなく、時間をかけて回復していく方が、今の米国株にとっては都合が良いことになります。なぜならば、米国株では景気循環と株価・金利循環について、以下の関係が成り立つことが多いからです。
景気循環と、金利・株価循環の関係
結論は毎回述べていることと同じです。日本株は、景気敏感バリュー株を中心に押し目買いをしていくべきと考えています。
緊急事態宣言の延長で、サービス業(非製造業)の業績回復は遅れそうですが、米国・中国の景気拡大の恩恵を受けて製造業は、業績回復ピッチが高まると考えているからです。
業績の大幅回復がはっきり見えるまで、まだ時間がかかりそうですが、秋までには日経平均は業績回復を好感して年初来高値を更新すると予想しています。
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