マザーズ指数、イーサリアム、プラチナ、ナスダックといった“2番目”銘柄が上昇
先週は、マザーズ指数、イーサリアム、プラチナ、ナスダックの上昇が目立ちました。マザーズ指数が+6.1%、イーサリアムが+4.8%、プラチナが+4.5%、ナスダック+4.2%でした。上昇が目立ったこれらの銘柄の共通点は、“2番目”だと、筆者は考えています。
日本の主要株価指数、暗号資産、貴金属、米国の主要株価指数、各ジャンルにおいて、マザーズ指数、イーサリアム、プラチナ、ナスダックは、それぞれ、日経225、ビットコイン、金(ゴールド)、NYダウといった最もメジャーな銘柄に次ぐ存在(2番目)と言えると、筆者は考えています。
決して、“2番目=マイナー”ではありません。マザーズ指数も、イーサリアムも、プラチナも、ナスダックも、多くの人が知るメジャーな銘柄です。だた、先述のとおり、それぞれが属するジャンルの、“1番目”とは言い難いと、感じます。
先週、“2番目”の上昇率が“1番目”を上回った点については、2番目が持つ特徴が目立ったことが背景にあると考えられます。2番目が持つ特徴とは、売買高が1番目よりも少ない(1番目の次に多い)傾向がある点です。売買の少なさは、変動幅を拡大させる要因になり得ます。
しばしば、売買が少ない市場では、多少の注文が出た(資金が流入した)場合、その注文をきっかけに、上昇あるいは下落時の変動幅が拡大することがあります。この点は、先週みられた、1番目よりも売買高が少ない傾向がある“2番目”銘柄の変動幅が、1番目の変動幅を上回った点を補完するものです。
実際に、先週は“1番目”銘柄の日経225、ビットコイン、金(ゴールド)、NYダウの上昇率は、“2番目”銘柄よりも小さいものでした。(ビットコインにおいては、強い下落要因が発生したため下落しました)
先週は、上昇銘柄数が14(9)、下落銘柄数が10(16)、最大と最小を除く騰落率の平均は▲0.1%(▲0.4%)でした。全体的には、1月15日(金)から22日(金)の週は“ほとんど横ばいだった”と言えると思います(カッコ内は前々週)。
1月15日(金)から1月22日(金)のジャンル横断騰落率ランキング
先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先週は“ほとんど横ばいだった”と書きました。本コンテンツで参照する25銘柄において、上昇した銘柄の数と下落した銘柄の数が大差なく、騰落率の平均(最大・最小を除く)が、ほぼ横ばいだったことを示す、▲0.1%だったためです。
先週、各ジャンルにおける“2番目銘柄”(各ジャンルの最主要銘柄の次に売買高が多い傾向がある銘柄)の上昇が目立ったのは、各ジャンルの1番目銘柄の売買が、期待されたほど盛り上がらなかったことの裏返しだと、筆者は考えています。
上昇が目立った“2番目”銘柄と、この数カ月間、大幅上昇を演じ、先週大きく調整した穀物とビットコインを除いた、各ジャンルの1番目銘柄を含む、その他の銘柄(上昇率5位の金から下落率5位のパラジウムまで)の騰落率は、2%を超えない小幅値動きの域に収まりました。
先週は、各ジャンルの1番目銘柄がこぞって買われたり売られたりする環境になかった、つまり、全体的に、各種材料の方向性を見出しにくい環境だった、といえると思います。
なぜ、先週は、新しい米大統領の就任など、大きなイベントがあったにも関わらず、多くの銘柄において、材料の方向性を見出しにくかったのでしょうか。
バイデン氏の米大統領就任を好意的に受け止める人とそうでない人がいる、新型コロナのワクチンについて、接種が始まったことを好意的に受け止める人と、副作用を懸念する人がいるなど、同じテーマであっても、解釈の仕方が分かれていることが、その一因に挙げられると、筆者は考えています。
目先、もうしばらく、情報の解釈の“分断”が続き、1番目銘柄は取り立てて、大きな値動きにはならず、相対的に2番目銘柄の騰落が大きい状態が続く可能性があると、考えています。
バイデン新政権発足後の穀物市場の動向について、毎週月曜日連載のコモディティレポート「バイデン大統領誕生で穀物価格上昇?その理由を解説」で触れています。ご参照ください。
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