iDeCoで預金はNG?
個人型確定拠出年金として2017年に制度が拡充されたiDeCo(イデコ)。世間の認知度は徐々に高まってきています。書店に行けば書棚に著名なファイナンシャルプランナーによるiDeCo入門本が何冊も置かれており、制度の仕組みや非課税の有利さなどは誰でも手軽に学ぶことができます。
楽天証券はじめ大手ネット証券が提供するiDeCo口座は運営管理手数料が無料であり、毎月順調にiDeCo参加者が増えているようです。制度を学んで参加される方は、掛け金の所得控除と運用益への所得税免除など税制メリットをしっかり活用した上で、あくまで目的は将来の人生プランに鑑みた「じぶん年金」づくりにあることでしょう。
そもそも私たちは皆、子供の頃より親から「ちゃんと貯金しなさい!」と言われて育ってきました。その言いつけを守り「将来に備え資産形成をするのにうってつけな非課税制度をしっかり活用しておこう」と考え、iDeCoを学び始めたと思います。政府のこの制度の提供意図としては「貯蓄から資産形成へ」と私たち生活者に行動を促すことにあるのです。
親世代が体験してきた20世紀においては、“貯蓄することでちゃんとお金が育つ”という資産形成がある程度実現できました。銀行や郵便局に預貯金として置いておけば、けっこうな金利が付与され、長期で預貯金を続けているだけで資産が増えたからです。
ところが21世紀に入ってから、日本は急激に成長経済から成熟経済へ移行しました。おまけにデフレという経済の病気を長く患っていることによって、金融機関の預貯金の金利はほぼゼロになって久しいことは、皆さんご存知のとおりです。
せっかくiDeCoで将来に向けた「じぶん年金」づくりをしようと一念発起してみても、それを預金や元本確保型保険商品などといった“お金がお金を生まないもの”を選択していたら、さっぱりお金は育たないことにすぐ気付くことでしょう。
iDeCoに参加してもお金を育てていくことができなければ、国民年金基金連合会に毎年支払う事務手数料と信託銀行に支払う資産管理手数料の合計2,052円に加え、金融機関によっては年間数千円もの運営管理手数料を徴収していますから、実は「じぶん年金」がじわりじわりと手数料によって蝕まれていくばかりなのです。おまけに数十年後のiDeCo受取り時期には、日本経済がけっこうなインフレに転換している可能性も否定できません。ますますお金の価値が目減りする損失可能性を考慮しておくべきでしょう。
iDeCoをしっかり活用するならば、長期間の運用益がすべて非課税になるメリットをフルに活かしてインフレにも打ち勝つ真っ当な長期投資へと「資産運用」しなければ、せっかくこの制度に参加したのにそれが仇となりかねません。
楽長期投資にふさわしい投資信託のメニューを充実させている会社は、ひとえに参加者に真っ当な資産形成、つまりお金をしっかり育てる場として「資産運用」して欲しいと考えているからです。ここはハッキリきっぱり申しあげましょう。iDeCoで預金はおすすめしません! しっかり長期投資を実践して、「じぶん年金」がしっかり育つようお金を「資産運用」にまわすことで、経済活動の中にお金を働きに出してください!
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