ビットコイン、イーサリアムが上昇

 先週は、先々週に続き、ビットコイン、イーサリアムといった暗号資産の上昇が目立ちました。米決済大手ペイパルが自社のサービスにビットコインやイーサリアムを組み入れると発表したことが大きな要因とみられます。

 また、天然ガスも上昇しました。冬場の需要期における気温低下の観測が浮上したことなどが要因とみられます。その他、トウモロコシ、大豆、小麦などの穀物の上昇も目立ちました。

 下落が目立ったのは、S&P500、NYダウ、上海総合指数、マザーズ指数などの、日米中の主要株価指数でした。新型コロナのワクチン開発において、治験の中断などが相次いでいること、欧州の一部の地域で非常事態宣言が再度発令されたことなどが、要因とみられます。

 先週は、上昇銘柄数が15(11)、下落銘柄数が10(14)、最大と最小を除く変動率の平均は+1.3%(▲0.3%)でした。全体的には、10月16日(金)から23日(金)の週は“やや強かった”と言えると思います。

金(ゴールド)の今後の動向については、今週の週刊コモディティレポート『ルビコン川を渡った人類の行動がもたらす金(ゴールド)市場への影響』で述べています。

10月16日(金)と23日(金)のジャンル横断騰落率ランキング

※楽天証券のマーケットスピードⅡのデータより楽天証券作成
※銀・パラジウムはミンカブ・ジ・インフォノイドのデータを参照。
※ビットコインとイーサリアムは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の前々週土曜日午前6時と前週土曜日午前6時を比較
※騰落率は前々週金曜日の終値と前週金曜日の終値より算出。(前週金曜日終値-前々週金曜日終値)/前々週金曜日の終値

先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し

 先週は、全体的には“やや強かった”と書きました。とはいえ、先述の通り、日米中の主要株価指数が下落した点は心配事です。ビットコインや暗号資産のように個別に買われる材料があった銘柄が全体の上昇をけん引したものの、上昇した銘柄に、個別の材料がなかったとすれば、全体的には“弱かった”かもしれません。

 注視すべきは、やはり、個別銘柄の材料ではなく、新型コロナ、米大統領選挙、米国の追加経済対策対応、全体を覆う材料なのだと思います。

 新型コロナで言えば、足元、スペインで再び緊急事態宣言が発令されることとなったと報じられました。ワクチン開発においては、一部で治験が再開されたとのことですが、感染者は世界的に増加傾向にあり、両手放しに安心することはできません。

 また、米大統領選挙では、残り投票日まで約2週間となり、支持率ではバイデン氏がトランプ氏を大きく引き離していると報じられているものの、新型コロナの影響で郵便による期日前投票が多い今回は、はっきりと11月3日(火)に勝敗が決まらない可能性がある、と言われています。

 米国の追加経済対策対応では、民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官の間で議論がここにきて進んでおらず、不安が強まっています。このように、3点いずれも、不安が勝っていると言えそうです。今週も引き続き、これらの材料の動向に注意が必要です。

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