ビットコイン、イーサリアムが上昇。小麦、トウモロコシも
先週は、ビットコイン、イーサリアムといった暗号資産の上昇が目立ちました。米国や中国の主要株価指数が上昇したことを受け、リスクを取って運用する“リスクオン”のムードが生じ、暗号資産もこのムードに乗じ買われたとみられます。普段から比較的、変動率が高い傾向がある点も、上昇率が高くなった要因とみられます。
また、小麦、トウモロコシの上昇も目立ちました。週次の統計で輸出が好調だったことなどが要因とみられます。同じ穀物の大豆は、週中までは高値を維持したものの、週末にかけて利食いとみられる売りが優勢になり、週次ベースでは下落しました。
下落が目立ったのは、パラジウム、銀、プラチナ、金といった貴金属です。米中の主要株価指数が上昇したことで、“代替資産”の側面で売り圧力がかかり、金が下落。貴金属銘柄のリーダー格である金の下落をきっかけに、他の貴金属もともに売られた可能性があります。
先週は、上昇銘柄数が11(23)、下落銘柄数が14(2)、最大と最小を除く変動率の平均は▲0.3%(+3.2%)でした。全体的には、10月9日(金)から16日(金)の週は“中立だった”と言えると思います。
・金(ゴールド)の今後の動向については、今週の週刊コモディティレポート『底堅い金相場。市場を支える「不安」はもう1つの感染症?』で述べています。
10月9日(金)と16日(金)のジャンル横断騰落率ランキング
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※パラジウムはミンカブ・ジ・インフォノイドのデータを参照。
※ビットコインとイーサリアムは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の前々週土曜日午前6時と前週土曜日午前6時を比較
※騰落率は前々週金曜日の終値と前週金曜日の終値より算出。(前週金曜日終値-前々週金曜日終値)/前々週金曜日の終値
先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先週は、全体的には“中立だった”と書きました。とはいえ、先々週、上昇銘柄数が23(下落銘柄数が2)で“強かった”としたことから考えれば、先々週から今週にかけて、市場を取り巻く不安要素が増えたと考えられます。
その不安要素に、“米大統領選挙の混迷”と、“欧州の新型コロナの感染拡大”が挙げられます。今週の週刊コモディティレポートで詳細を述べていますが、これら2つの不安の拡大の影響範囲は広く、かつ今後、長期的に各種市場にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
選挙戦をめぐる各種イベントの状況や、両候補の発言・行動、そして欧州における新型コロナの感染状況に、今週も注視する必要があります。選挙戦をめぐるイベントとしては、今週22日(木)に討論会が予定されており、これが最後の討論会となることから、両候補の発言に注目が集まります。
ただ、この最後の討論会については、新型コロナの感染状況などの諸情勢により、中止や延期、あるいは2回目の討論会のように、別々の場所で演説を行うなど、形式が変わる可能性がある点に、注意が必要です。
こうした中、今週公表される主な経済指標は、19日(月)に中国の7-9月期四半期国内総生産、および9月小売売上高、鉱工業生産、21日(水)に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、23日(金)にフランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国の10月製造業およびサービス部門の購買担当者景気指数(PMI)などがあります。
また、19日(月)に、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、22日(木)に、ベイリー英中銀(BOE)総裁の発言が予定されています。コロナ禍の主要国の現状や、今後の見通しについて、各要人がどのように認識しているかを知るきっかけになるため、注目です。
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