天然ガス上昇、原油下落、貴金属は全般的に上昇

 先週は、天然ガスの上昇が目立ちました。先々週に続き、冬場の需要期を前に生産量が減少する懸念が生じたことなどが、材料視されたと見られます。また、穀物の上昇も目立ちました。生産地での寒波により、未収穫の生産物の品質悪化、収穫作業の遅延などの懸念が高まったことが、材料視されたと考えられます。

 また、金、銀、プラチナ、パラジウムといった、貴金属の上昇も目立ちました。ドルが下落したことで、代替通貨としての相対的な保有妙味が増したことは、金の上昇要因となったとみられます。

 金高、そして米国の主要株価指数の上昇が、工業用の用途の割合が比較的高い、その他の貴金属の上昇要因となったと考えられます。

 一方で原油は、マイナス7.6%と、大幅下落となりました。次期大統領をめぐる選挙戦において、先週の公開討論会が、バイデン氏が優勢だと受け止められたこと、トランプ大統領のコロナ感染がバイデン氏をさらに優勢にしたとの見方が広がったことなどで、来年以降、バイデン氏が、クリーンエネルギー策を推進し、石油の消費量が減少する懸念が生じたことが、一因とみられます。

 先週は、上昇銘柄数が18(前週は7)、下落銘柄数が6(18)、最大と最小を除く変動率の平均は+1.8%(▲2.6%)でした。全体的には、9月25日(金)から10月2日(金)の週は “おおむね強かった”と言えます。

 金や原油の市況と動向については、今週の週刊コモディティレポート『トランプ大統領のコロナ陽性ツイートで、金は上昇、原油は下落。選挙とコモディティ市場の関係を分析で詳しく述べています。

9月25日(金)と10月2日(金)のジャンル横断騰落率ランキング

※楽天証券のマーケットスピードⅡのデータより楽天証券作成
※プラチナとパラジウムは楽天証券のマーケットスピードCX内「海外市場」の、中心限月のデータを参照。
※ビットコインとイーサリアムは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の前々週土曜日午前6時と前週土曜日午前6時を比較
※騰落率は前々週金曜日の終値と前週金曜日の終値より算出。(前週金曜日終値-前々週金曜日終値)/前々週金曜日の終値 

先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し

 トランプ大統領のコロナ感染は、各種市場にさまざまな影響を及ぼしそうです。トランプ大統領のコロナ感染により、2回目の討論会の開催を不安視する声もあり、トランプ大統領の容態に注目が集まっています。10月5日(月)に退院する可能性がある、との報道もありますが、まずは慎重に事態を見守ることが重要です。

 週明け5日(月)の各種市場は、おおむね、同氏の感染公表で下落した先週末からは、反発しています。7日(水)、副大統領候補同士の討論会が予定され、建設的な議論がなされれば、より、悲観的なムードが後退する可能性があります。

 トランプ大統領の容態、副大統領候補同士の討論会など、今週も、注目点に事欠きません。今週公表される主な経済指標は、5日(月)に欧米の主要国でサービス部門PMI(製造業購買担当者景気指数)、米国で9月ISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況指数、8日(木)9月Caixinサービス部門PMI、などです。

 また、6日(火)に、 パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長、7日(水)に、ラガルドECB(欧州中央銀行)総裁、8日(木)、ベイリーBOE(英国中央銀行)総裁など、要人の発言が予定されています。そして、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が公表されます。新型コロナなど、主要国の経済の現状や、今後の見通しを、彼らがどのように認識しているかについて、情報が得られる機会であるため、注目です。

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