チャンネル登録者数10万人を突破したYouTubeチャンネル『株の買い時を考えるチャンネル』や『株の買い時を考えるブログ』を運営する「株の買い時」さん、インタビュー中編をお届けします。

　買い時さんは投資を始めた2013年から、自力でかなりの勉強をし、ブログ上でどんな質問をされても答えられるほどの知識を身につけました。中編ではオススメの勉強法や本について聞きました。

＋20～25％で利益確定、▲7～8％で損切りする

──ここからはどのように勉強してきたのかについてお聞きします。前回、2013年に投資を始めた頃から本を読んでいたとおっしゃいましたが、やっぱり本は読んだほうがいいですか。

　そうだと思います。もちろん、ネットの投資関連のサイトを見たり、投資家のブログを読んだりするのもいいと思います。僕もいろいろ見ています。

　でも、本を読んで体系的に学ぶのも大事だと思います。

──これまでに何冊くらい読みましたか。

　数えていませんが、そうとう読んだと思います。今も会社帰りとか、本屋にはしょっちゅう行きます。

──その中のオススメの1冊を教えてください。

　投資の分野では名著とされているので、知っている人も多いと思いますが、米国の著名な投資家である、ウィリアム・オニールという人が書いた『オニールの成長株発掘法』です。

──オススメポイントはどんなところですか。

　この本の導入に「本書によってあなたは人生を変えることができる。あなたさえ望めば、だれもそれを止めることはできない」と書かれているんです。

「1冊の本で人生が変わるなんてありえない」と思うかもしれませんが、僕がそうだったんです。これを読んで投資に対する考え方がガラっと変わったし、勝率も上がりました。

──具体的にはどんなことが書かれているのですか。

　例えば株式投資をやっている人なら分かると思いますが、投資で最も難しいのは売り時です。どんなときに利益を確定し、どんなときに損切りするか。僕は、売り時に答えはないと思っていました。

　でも、オニールは「利益確定は＋20～25％になったら、損切りは▲7～8％になったら決行しなさい」と明言しています。その根拠もきちんと説明されています。もちろん、相場の状況などによっては例外もありますが。

1冊丸ごと読む必要はなし。重要な章だけ読めば十分

──今は、オニールのやり方を実行されているのですね。

　はい。例えば投資を始めた頃は、保有している銘柄の株価が下がっても、売る決断ができなかったんです。「これ以上、下がらないはずだ」｢もう少し待てば絶対に上がる｣と。

　結果、どんどん下がっていき、大きなマイナスを背負ってしまうことがよくありました。たぶん、誰しも経験があると思いますが。

　今は、よほどのことがない限り、▲7％から▲8％まで下がったら売却するので、大損がなくなりました。

──売却後に上昇することもあると思いますが、後悔したりしませんか。

　それは覚悟の上なので、今は何とも思わなくなりました。

──投資ビギナーの中には、投資の本は難しいと思っている人も多いと思います。どうでしょう、この本は初心者でも読めますか。

　ちょっと難しいかもしれません。実は僕も、投資を始めて間もない頃にこの本を買ったのですが、そのときは途中で挫折したんです。何が書かれているのかよくわからず…。そういう意味では、中級者向けといえるかもしれません。

──初心者向けだとどんな本がオススメですか。

　最近ブログにも書いたのですが、『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』（東洋経済新報社）、『図解「PERって何?」という人のための投資指標の教科書』（PHP研究所）、『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』（KADOKAWA）の3冊を勧めます。

　それぞれの本の詳細はブログを見てもらえるとうれしいですが、どれもとてもわかりやすく書かれているので、ビギナーにはオススメです。

──本を読むときのコツがあれば教えてください。

　本を買ったら1ページ目から順に読んでいく人が多いと思いますが、それにこだわらないことです。どんな本も、初めから終わりまですべてのページに重要なことが書かれているわけではありません。何ページか、何十ページかに凝縮されています。

　だから、まずは目次を見て、どの章が重要なのかを考え、そこを重点的に読むといいでしょう。場合によってはその章を読むだけでもいいと思います。

──重要なのは知識やノウハウを得ることですから、あまり時間をかけずに大事な部分だけ読むのも良さそうですね。

　はい、そのほうが効率的だと思います。

情報量が多く、使い勝手がいい投資サイトも活用

──先ほど、投資サイトや投資ブログも見るとおっしゃいましたが、よく見るサイトはありますか。

　投資関連のサイトはたくさんあるので、いろんなサイトを見ますが、1つ挙げるなら「株探」ですかね。企業情報が満載で、経済ニュースも充実しているので、銘柄選びや売買の判断に役立っています。見やすく、使い勝手がいいのも魅力です。

──そうしたサイトを参考に、YouTubeチャンネルのネタを考えたりするんですか。

　それはないですね。YouTubeのネタは視聴者のコメントを元に決めることが多いです。コメントが集中するということは、そのことに関心を抱いている人が多いということなので。

　僕の動画が多くの人に見てもらえるのは、ひとつには投資家の方々が知りたいことを取り上げているからだと思います。

──それに何といっても解説がわかりやすいのが魅力です。

　ありがとうございます。お返しじゃないですけど、僕も「トウシル」はよく見ます（笑）。

──ほんとですか！（笑）

　実は父が「トウシル」の大ファンなんです。たぶん毎日のように見ていると思います。こないだも何かの記事を見て、「とても参考になるから、オマエも絶対に読んでおけ」といわれました。

──お父様によろしくお伝えください！　では、次回は株主優待についてお伺いします。

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