株価上昇、貴金属下落
先週は、マザーズ指数、ナスダック、S&P500、上海総合指数、NYダウなどの主要株価指数が上昇しました。また、天然ガス、銅、銀、パラジウム、原油などの、景気の動向に消費動向が左右される傾向があるコモディティ(商品)も、上昇しました。(上昇率順)
一方、イーサリアム、ビットコインなどの暗号資産、プラチナ、金などの貴金属は、下落しました。いわゆる“無国籍通貨”の色が濃い銘柄の下落が目立ちました。
先週は、上昇銘柄数が12(前回は19)、下落銘柄数が13(前回は6)、最大と最小を除く変動率の平均は+0.4%(前回は+0.9%)でした。全体的には、8月14日(金)から21日(金)の週は、 “おおむね横ばいだった”と言えると思います。
※前回から、マザーズ指数とイーサリアムを追加し、合計25銘柄としました。
※金を含む貴金属価格の今後の動向について、筆者の連載[週刊コモディティマーケット]の本日更新分「“無国籍資産”金とビットコインが連動する理由とは?投資トレンドに異変あり」をご参照ください。
8月14日(金)から 8月21日(金)までのジャンル横断騰落率ランキング
先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先述のとおり、先週は“景気敏感銘柄高・無国籍通貨安”の傾向が強かったと言えます。米国の景気刺激策へのアナウンスなどが好感され、米国の主要株価が上昇。それによる消費拡大の期待から、エネルギーや非鉄などのコモディティ(商品)も上昇しました。
一方で、金やプラチナ、ビットコインやイーサリアムなどのいわゆる無国籍通貨の色が強い銘柄が下落しました。
これまで、金とビットコインは、特に新型コロナ・ショック後、連動性を強めながら上昇してきました。“無国籍通貨”(広く言えば無国籍資産)が買われてきたわけです。
無国籍資産が買われる理由は、端的に言えば、信じることができる国がなくなってきている、信じられる国はあるが、以前ほど信じることができなくなってきているなどの、投資家の“国家への不信任”があると考えられます。
このような環境の中、先週は景気敏感銘柄が上昇しましたが、その上昇にどの程度の根拠があるのでしょうか。やはり、このような時こそ、数字が示す実態、つまり経済指標を逐一、確認することが重要です。
今週の景況感に関わる主な経済指標の発表は、8月25日(火)、ドイツの4-6月期のGDP(国内総生産)、26日(水)米国の7月の耐久財受注、28日(金)、フランスの4-6月期のGDP、米国の7月個人消費支出などです。
また、8月27日(木)、ジャクソンホールでのシンポジウム(今年はテレビ会議)でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が発言します。金融政策についてこれまでの評価や今後の見通し、さらに今後の米国経済の見通しについて、発言するとみられ、注目です。
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