株式投資で1億円の財産を築き上げた投資家を指す「億り人」。真剣に株式投資に取り組めば決して不可能ではありません。億り人を目指すために必要なこととはなんでしょうか。

あなたの周りに「億り人」はいますか

 最近、さまざまなところで「1億円」というキーワードを目にします。1億円といえば思いつくのが「億り人」(おくりびと)。

 皆さんの周りには「億り人」はいますか? 自分で言いふらす方は少ないので、本当は周りにいるかもしれません。でも「知らない」「見たことない」という方がほとんどだと思います。

 筆者の周りには、億り人が何人もいます。株式投資で1億円を築き上げることは決して不可能ではないということを、まずは知っておいていただきたいと思います。

億り人を目指すために(その1)タネ銭を増やす

 1つ問題を出します。投資資金10万円の人、100万円の人、1,000万円の人がいます。この中で一番「億り人」になる可能性が高いのはどの人でしょうか?

 当然、1,000万円の人ですよね。1,000万円の投資資金が10倍になれば1億円を築けます。

 一方、100万円の投資資金の人は、100倍にしなければ1億円にはなりません。10万円の投資資金の人は、1億円を築くには1,000倍にすることが求められます。

 しかし、いくら大きな利益が期待できる株式投資だからと言って、資金を100倍、1,000倍に増やすことは現実的ではありません。

 もちろん、1,000万円を貯めてから株式投資をしなければならない、ということではありません。10万円でも100万円でも、まずは始めた方がよいです。その後、タネ銭を追加していくことにより、目標により近づいていくようにしましょう。

 投資資金100万円なら1億円まで100倍ですが200万円なら50倍、500万円なら20倍で1億円です。筆者はタネ銭を最終的に1,500万円まで入れましたが、こうなると7倍で1億円にできますから、十分射程内に入ります。

 タネ銭は多いに越したことはありません。無理のない範囲で、段々とタネ銭を増やしていってください。

億り人を目指すために(その2)バブルを徹底活用する

 資産を短期間で大きく増やすためには、バブル相場を徹底的に活用することが大いに有効です。

「バブル」と聞くと、なんだか危ないイメージをもつ方もいると思います。それはバブルの終盤で高値つかみをして、かつ損切りしないで放置した結果、株価が急落して塩漬けになった方が多くいたからです。

 バブル相場のできるだけ初動に乗り、しっかり利益を伸ばし、かつ損切りや売却のタイミングをしっかり把握して売買ルールを守る、ということを徹底すれば、大きく資産を増やすことも十分に可能です。

 バブル相場の規模や期間にもよりますが、正しいやり方で取り組めば、1回のバブル相場で資産を2・3倍程度にすることは難しくありません。

 しかし残念ながら、ほとんどの個人投資家はバブル相場を活かすことができず、少しの利益しか得られないか、逆に損失を被ってしまうのです。

 バブル相場を活用するための大前提が「正しいやり方」で株式投資をすること。そのためには、今からしっかりと株式投資について学んでおくようにしてください。

億り人を目指すために(その3)インカムゲインよりキャピタルゲイン

 株式投資で得られる利益には「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」があります。億り人を目指すためには、迷わずキャピタルゲインを狙うようにしましょう。

 株式投資でインカムゲインといえば配当金ですが、利回りに換算すると数%程度です。これではなかなか資産を増やすことはできません。インカムゲインによる収入は、すでに大きな資産を有している方には非常に有益ですが、これから資産を増やしたいという方には向いていません。

 一方、キャピタルゲインといえば株の値上がり益です。こちらは、銘柄により大きく異なってきますが、2012年終わりから始まったアベノミクス相場では、株価が10倍以上に上昇したものも数多くあります。こうした銘柄を選んで投資できれば、大きな資産形成につながります。

億り人を目指すために(その4)割安株より成長株

 そしてもう1つ、キャピタルゲインを狙うときは割安株ではなく成長株を選ぶようにしましょう。

 アベノミクス相場により株価が10倍以上になったものは、業績の伸びが続いている「成長株」と呼ばれるものです。

 一方、割安株への投資が悪いわけではありませんが、割安株の株価が5倍、10倍になるということはあまりありません。投資資金に制約のある個人投資家としては、資金効率の良い投資先を選ぶべきです。であるなら、割安株よりも株価が大きく上昇する可能性のある成長株へ投資した方がより大きな利益を狙うことができます。

 なお、景気とともに株価が大きく上下に変動する「景気敏感株」への投資も有用です。景気がどん底にあり、株価が大きく売り込まれているときに景気敏感株を買い、景気が回復して株価が大きく反発したら売る、という方法です。銘柄によっては底値から5倍、10倍と上昇するものも珍しくありませんから、買い時や売り時を誤らなければかなり有効な方法だと思います。

「私には億り人なんて無理!!」と思ってしまったら、そこで終わりです。決して億り人にはなれません。

 でも、頑張ればもしかしたらなれるかも! と前向きな気持ちでいれば、1億円の財産形成はできなくても、5,000万円くらいまでは築き上げることができるかもしれません。

 初めから「無理」と諦めるのではなく、ぜひチャレンジしてみてください。その姿勢こそが、株式投資の成功へつながるはずですから。