天然ガスが上昇率1位

 先週は、天然ガスの上昇が目立ちました。米国国内で気温が平年以上に上昇するとの予報をきっかけに、冷房向けの電力需要が増加する見方が強まったことが、一因とみられます。

 また、トウモロコシは、米国における今年の作付け面積が、3月末に公表された作付け意向面積を下回ったことなどで、上昇しました。

 次いで上昇したのが、上海総合指数です。国家統計局版の他、財新版のPMI(製造業購買担当者景気指数)が好転したことが主な要因です。また、この上海総合指数の上昇を受け、中国が世界全体の消費のおよそ半分を占める、銅も上昇しました。

 先週は、上昇銘柄数が19(前回は10)、下落銘柄数が4(前回は13)、最大と最小を除く変動率の平均は+2.2%(前回は▲0.8%)でした。全体的には、6月26日(金)から7月3日(金)の週は、“強かった”と言えると思います。

の今後の展望については、今週の週刊コモディティマーケット銅の価格が上がるかも?!中国と南米で上昇要因が同時発生で述べています。

6月26日(金)から7月3日(金)までの週のジャンル別騰落率

注:楽天証券のマーケットスピードⅡのデータより楽天証券作成
注:ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の前々週土曜日午前6時と前週土曜日午前6時を比較
注:プラチナ、パラジウムは楽天証券のマーケットスピードCX内「海外市場」のデータを参照
注:騰落率は週足の終値をもとに算出(前週終値-前々週終値)

今週の見通し

 先週は、主要株価指数、通貨、コモディティ(商品)、暗号資産の4つのジャンルを横断した、合計23銘柄のうち、82%にあたる19銘柄が上昇しました。

 全体的に強かった要因はさまざまですが、中国の経済指標の回復が鮮明になったことが、要因の一つに挙げられると思います。先週中国で、国家統計局版と財新版のPMIが公表されましたが、ともに、景況感の良し悪しの判断の目安となり50を、上回りました。

 6月30日に公表された国家統計局版は3月以降4カ月連続の50超え、7月1日に公表された財新版は6カ月ぶりの高水準でした。ともに、新型コロナウイルスの感染拡大によって受けたダメージが、回復していることを示しています。

 中国における新型コロナウイルスの感染拡大のピークは2月でした。この2月はPMIでも40を割り込む厳しい内容でしたが、その後、感染状況が改善したこととともに、PMIの回復が目立ってきているわけです。

 足元、回復が鮮明になる中国、南部で第2波が起きつつある米国、感染拡大が止まらない中国を除く新興国。新型コロナウイルスが及ぼす影響の濃淡の差が、大きくなっています。今後、米国や中国以外の経済指標が、これらの国の回復を示すか、それがいつになるか、注目です。

 7月6日(月)は、ドイツの5月の製造業新規受注、ユーロ圏の5月の小売売上高、米国の6月のISM非製造業景況指数(総合)が、7日(火)は、ドイツの5月鉱工業生産、フランスの5月の貿易収支、8日(水)は、日本の5月の国際収支・貿易収支、9日(木)は、ドイツの5月貿易収支、10日(金)は、フランスの5月の鉱工業生産指数、インドの5月鉱工業生産などが公表されます。

 引き続き、主要国の景況感に関わる経済指標に注目です。

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