かぶ1000さんが注目する割安な有望株5

 資産4億円で毎年20%超の運用益を目標にしているかぶ1000さんは、「新型コロナウイルスの影響が徐々に表面化する中、同業種内での優勝劣敗、企業による格差が広がると判断しています。まずは耐久力が強い会社(財務堅牢でフリーキャッシュフローが一定程度、維持できる会社)、ストックビジネス中心の会社、企業価値が高い会社、構造的にも社会的にも必要な会社に投資をしていきたいですね」とアフターコロナの株式相場を分析する。専業投資家歴31年の株賢者・かぶ1000さんがコロナ相場で注目している割安株は?

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コード 銘柄 市場
9022 東海旅客鉄道 東証1部
8802 三菱地所 東証1部
6222 島精機製作所 東証1部
8595 ジャフコ 東証1部
7453 良品計画 東証1部

 

東海旅客鉄道(東証1部・9022)

「新型コロナによる外出の自粛や、インバウンド喪失で最も影響を受けている会社の一つ。目先の業績は厳しいと思いますが、収益の主体である東京⇔大阪間の新幹線は依然としてドル箱路線。今後、『GoToキャンペーン』など政府による観光復興に向けた助成で、需要の底打ち、回復が望めるため、安値圏の今は投資チャンスと考えています」(かぶ1000さん)

三菱地所(東証1部・8802)

「新型コロナの影響によるテレワーク普及で、オフィスビルに対する空室率上昇の懸念から株価は大きく下落しました。しかし、個人的には、テレワーク化できる業種や規模は限られ、逆にオフィス内の密を避けるため、企業によってはより広く新しく快適なオフィスに移る可能性もあると判断しています。中でも、競争力の高いオフィスビルが中心の三菱地所は、バックに三菱UFJ銀行も控え、長期的に見れば再び業績も上向きに向かうはずで、下落した局面では投資チャンスと考えています」(かぶ1000さん)

島精機製作所(東証1部・6222)

「新型コロナウイルスの影響やアパレル不振による受注の低迷で前期は過去最大の赤字に転落しました。とはいえ、当社が手掛けている編み機『ホールガーメント』は縫い目がないニット製品を糸だけで作ることが可能で、アパレル側も過剰な在庫を抱えることなくタイムリーに生産できます。新型コロナで需要動向が読みづらい中、同社の編み機を導入する企業が増える可能性がある他、国内一貫生産体制(和歌山県)でサプライチェーンのリスクもありません。時価総額533億円に対して正味流動資産もほぼ同額の525億円と非常に割安な水準であることにも注目しています」(かぶ1000さん)

ジャフコ(東証1部・8595)

「相場全体が回復モードの中、IPO(株式の新規公開)も徐々に動き始め、特に今年はマザーズ指数など小型株中心に堅調で、今後も引き続きIPO人気も高まることが、ベンチャーキャピタルの当社にとって追い風になるはず。時価総額1,129億円に対して正味流動資産1,859億円と、ネットネット株である点も魅力です。また株主配当の基準に『DOE(株主資本配当率)』を採用しており、株主資本の推移に連動する形で配当も出されていくので、新型コロナの影響で減配や無配が広がる中、高配当株としても魅力大だと思います」(かぶ1000さん)

良品計画(東証1部・7453)

「前期まで17年連続で増収と、売上は順調に拡大傾向。しかし直近は新型コロナウイルスの影響から厳しい状態ですが、今回、実施された1人あたり10万円の特別定額給付金の恩恵を受ける可能性が大きい小売業の中でも、食品、衣料品、雑貨など品揃えが豊富な当社への貢献が高そうと判断しています。また、消費者が選ぶ強いブランドランキングでも良品計画はYouTube、LINEに次ぐ第3位となっており、ブランド力、企業価値も高い。株価も2018年6月に4,120円をつけた後、2020年3月には969円まで下落。その後、株価は回復傾向となり、大底を見たのではないかなと思っています」(かぶ1000さん)

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かぶ1000さんプロフィール

 中学2年だった1988年から株式投資を始め、今年で専業投資家歴31年目を迎える大ベテラン。2011年に独自の割安株投資で1億円プレイヤーに。時価総額に比べて、正味の流動純資産が著しく多い「ネットネット株」や豊富な不動産含み益などを持つ「資産バリュー株」への投資で、2019年7月16日には累積利益4億円を突破した。保有株式全体の運用利回りが年20%超になることを目標に日々、割安株の発掘にまい進。人気ブログ『かぶ1000投資日記』でポートフォリオや運用成績を公開する他、ツイッターやツイキャスでも投資術を披露している。

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