GW前の日経平均は一時2万円を超えたが、米中対立再燃の懸念から反落
GW前の週(4月27日~5月1日)の日経平均株価は、1週間で357円上がり、1万9,619円となりました。
4月30日に一時2万365円まで上昇しました。(1)米国・欧州で感染鈍化を受けて経済を再開する動きが出ていること、(2)治療薬、ワクチンの開発が進みつつあることへの期待から、NYダウが上昇し、日経平均先物に外国人とみられる買いが入りました。
ところがGW前の最終日(5月1日)の日経平均は、1万9,619円まで急反落。米中対立再燃懸念で、4月30日のNYダウが大きく下がった影響を受けました。4月30日、トランプ米大統領が、中国が新型コロナウイルスに対する初期対応を誤ったために世界的なパンデミックを招いたとして、中国への報復を示唆したことが影響しました。
トランプ大統領は1日、中国への制裁関税発動まで示唆しました。これにより、しばらく注目が低下していた「米中対立」への懸念が蒸し返されました。
日経平均日足:2020年1月4日~5月1日
GW中のNYダウは小動き、米中対立再燃が引き続き不安材料に
日本市場がGWで閉まっていた間、NYダウは大きくは動きませんでした。
NYダウの動き:2020年4月27日~5月6日
強弱材料の綱引きが続いています。
【強材料】
米経済再開への期待
治療薬・ワクチンの開発進み始める
世界各国が、巨額の財政金融政策を発動
【弱材料】
リーマン・ショックを超えるスピードで世界経済が急激に悪化
米中対立再燃の兆し
経済再開後の感染二次拡大リスク(→株式市場はこの問題は今のところ無視?)
日本株は長期投資で買い場の判断を継続
強弱材料が拮抗し、日経平均は目先、上下とも大きくは動きにくいと考えています。ただし、それは、嵐の前の静けさかもしれません。新型コロナについて、いずれ大きな材料が出て、上下どちらかに大きく動くことになるかもしれません。
治療薬・ワクチンの早期開発成功が見えれば、上昇に弾みがつくと考えられますが、経済再開後に欧米で感染の二次拡大が起こると、大きく下がる要因となるでしょう。
いずれにしろ、治療薬、ワクチンの開発が急速に進み始めているので、人類は1年後には、新型コロナウイルスを克服する術を見いだしていると、考えられるようになってきました。ただし、それまでにまだかなり時間がかかります。それまでに、まだかなりの波乱があると、考えていた方が良いと思います。
日本株は割安で、長期投資で買い場との判断を継続しますが、短期的に、急落・急騰を繰り返すリスクには注意が必要と考えています。
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