先週1週間の値動きを確認し、今週1週間の値動きを考える参考材料を探しましょう。

閑散としやすい年末年始にも関わらず、一部銘柄で変動あり

 年末年始期間は、世界的に休場となる取引所が多くなることから、取引量が減少し、値動きが小幅になる場合があります。年末年始期間となった先週(12月30日から1月3日)は、東京市場が12月31日(火)から1月3日(金)までが休場、欧米を含む多くの市場が1月1日(水)が休場でした。

 ただ、今回の年末年始期間では、一部の銘柄で動きがみられました。報じられているとおり、1月3日(金)、トランプ米大統領の指示により米国がイラクでイランの要人を殺害したことを受け、本年の取引がすでに始まっていた欧米市場では金[商品]と原油[商品]が上昇しました。

 また、もともと記録的な安値圏にあった上、貴金属の中で最も取引量が多い金[商品]の上昇に追随したプラチナ[商品]や、昨年末に公表された中国の比較的強い経済指標の影響を受けた上海総合指数[株式]が上昇しました。

 しかし、本レポートで注目している主要な株価指数通貨コモディティ暗号資産の合計22銘柄のうち、68.2%にあたる15銘柄が下落しました。全体的には、先週はイラクでの事件を受けたリスク回避のムード・景気減速懸念が強まった週だったと言えます。

図:ジャンル横断・騰落率 2019年12月30日(月)から2020年1月3日(金)

※ビットコイン[暗号資産]の価格は楽天ウォレットの円建て価格を参照します。

※楽天証券のマーケットスピードⅡのデータより楽天証券作成
※騰落率は当該週の週足の始値と終値を参照して算出。(終値-始値)/始値
※ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン/円を参照。日本時間の月曜日午前6時と土曜日午前6時を比較
※プラチナはCME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物(中心限月)価格を参照。
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今週の見通し

 先述の通り、先週はイラクで発生したイランの要人殺害事件を受け、リスク回避のムードや景気の先行き不透明感が強まったことや、中東からの原油の供給が減少する懸念が強まったことなどで、金[商品]を中心とした貴金属と原油[商品]が上昇しました。そして、景気の先行指標である株価指数の下落が散見されました。

 イランは3日間の喪が明けた6日(月)以降に、中東地域にある米国の施設に対して報復攻撃をするとしていますので、今週も引き続き、中東を舞台にした米国とイランの戦いは続くとみられます。

 情勢が激化すれば、リスクを回避するムードや景気不透明感、原油の供給懸念が強まり、先週同様、金[商品]原油[商品]が上昇し、株式が下落。逆に情勢が鎮静化すれば、リスクを取るムードや景気回復期待が強まり、金[商品]は下落し株式が上昇、原油は供給増加観測で下落圧力を受けるものの、株価上昇によって将来の石油消費期待が高まることで上昇圧力を受けて、大きな下落は避けられるとみられます。今週も引き続き、米国とイランの情勢に注視することが必要です。

 また、先週、複数の主要株価指数が下落する中、上海総合指数[株式]が上昇しました。これは、12月31日(火)に発表された中国の12月の製造業購買担当者景気指数が事前予想を上回る比較的強い内容だったことが主因とみられます。

 米国とイランの情勢をにらみながらも、米中貿易戦争の影響をデータで知ることができる米国や中国の各種経済指標の内容に、引き続き注目です。

 今週は、1月6日(月)に中国の12月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数米国の12月のサービス部門購買担当者景気指数および12月の総合購買担当者景気指数が発表されます。

 また、7日(火)には米国の11月貿易収支12月のISM非製造業景況指数9日(木)に中国の12月消費者物価指数12月生産者物価指数、そして10日(金)に米国の12月非農業部門雇用者数変化および失業率(いわゆる雇用統計)が発表されます。

 今週は1月の月初にあたるため、複数の重要な経済指標が公表されます。米国とイランの情勢に加え、米中に関わる経済指標にも注目です。

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