ラクビー元日本代表という異色の経歴を持つ、人気投資ブロガー・のがたかさんインタビューの後編をお届けします。今回は株式や投資信託、仮想通貨、FXなどあらゆる投資を行っているのがたかさんに、投資初心者にすすめる資産運用ベスト5を挙げていただきました。

>>『30代運用男子!!

会社勤めの人にもオススメ!「自動売買FX」

──投資初心者にオススメの資産運用ベスト5を挙げてください。世の中、金融商品に詳しい人はたくさんいますが、自分自身でいろいろ実践している人はそうはいません。その意味で、のがたかさんほどこのテーマにふさわしい人はいないのではないかと思います。

 まず、投資初心者となるとやはりインデックスファンドあたりから始めるのが無難だと思います。ただ、それだと当たり前すぎるので、ここではまず自動売買FXを挙げておきます。

──なるほど。FXは、初心者には怖いイメージを持たれがちなので、意外でした。

 たしかにFXというと「ギャンブル性が高い」「怖い」というイメージを抱いている人が多いかもしれません。実際、デイトレードやスキャルピングなど短期取引で勝負している人が多いですし、1日で何百万円損した、得したといった話もよく聞きます。しかし、FXのすべてがハイリスク・ハイリターンかというと、そうではありません。

 例えばこの自動売買FXというのは長期的に資産を増やしていく目的のものですし、やりようによっては大幅にリスクを抑えることも可能です。

──「自動売買」ということは機械が自動的に取引を行ってくれるんでしょうか?

 その通りです。最初に通貨ペア(売買する2国の通貨の組み合わせ)や値幅などの設定を行うのですが、それが済んだら何もする必要はありません。自動的に注文と決済を繰り返してくれます。FXの専門知識はいりませんし、会社勤めの人などでも手軽にできます。

──注意点はありますか。

 どんな設定にするかが大事なので、そこを間違わないこと。僕は最初、著名な投資ブロガーの設定をマネてみたのですが、何もわからないという人は誰か信頼のおける人の設定を参考にするといいでしょう。

 僕はバランスを重視して、複数の通貨ペアを運用する設定にしています。長期運用を前提に、大きなレンジの中で複数の注文・決済を仕掛けています。

 あと、設定次第ではリスクを最小限に抑えることができますが、それでもインデックスファンドなどに比べたらリスクがあるので、そこはよく理解しておくことが大切です。もちろんその分、リターンが期待できるわけですが。

のがたかさんの現在の設定

(※)ハーフ&ハーフ…自動売買注文の手法の一つ。想定レンジの上半分では売り、下半分では買いの取引をする。

──投資を始めた当初、FXのシステムトレードで失敗したとうかがいました。アレとは違うのですか。

 あのとき僕が手を出したのは、自分で設定できるものではなく、何もかもお任せというものだったんです。ひと口に自動売買FXといってもいろいろなものがあるので注意が必要ですし、サービスそれぞれによさがあります。しっかり調べて検討してみてください。

ブログタイトルには「30代」とご自身の年代を入れています。「20代だと『まだ早いかな』、40代だと『今からでもできるの?』と思いがちですが、30代はちょうどいい時期。僕も20代で始めていますが、若い人は時間を使えるというのがめちゃめちゃ有利だと思います」

安定したリターンが期待できる「ソーシャルレンディング」

──では、2つ目にいきましょう。

 ソーシャルレンディングをすすめます。

──これまたちょっと意外ですね。ソーシャルレンディングと聞いてもピンとこない人も多いと思うので、簡単に説明をお願いします。

 ざっくりいうと、お金を運用して増やしたい人と、お金を借りたい企業をマッチングするサービスです。お金を運用したい人は、ソーシャルレンディング会社を通して企業にお金を貸し出します。で、貸出金利からソーシャルレンディング会社の取り分を差し引いた金額を受け取るという仕組みです。

 欧米ではずいぶん前から普及していますが、日本でもここ数年、急激に市場が拡大していて、注目が集まっています。

──お金を必要としている企業に出資するようなものですよね。それなりの金額が必要なのではないですか。

 いえ、1万円から投資できます。ソーシャルレンディング会社が個人から小口のお金を集めて企業に融資するという仕組みなんです。

──ひと口馬主のようなものでしょうか?

 そうですね、近いかもしれません。

──どのくらいのリターンを期待できるのでしょうか。

 それはファンドによります。どのソーシャルレンディング会社も複数のファンドを用意し、投資家を募集しています。運用期間は2、3カ月のものもあれば1、2年というものもあります。それぞれ実績利回りが異なるわけですが、平均すると5~6%程度でしょうか。

──当然、リスクもあるわけですよね。投資した会社が経営不振に陥り、返済が滞る、とか…

 それを回避するには、信頼のおけるソーシャルレンディング会社を選ぶことが大切です。僕はこの業界の大手である「クラウドバンク」という会社を利用していて、これまでいくつかのファンドに投資しましたが、元本割れは一度もありません。最近は、いろんな会社がこのサービスを始めているので、慎重に検討してほしいですね。

「最近は配当がおもしろいなと思ってます」と、のがたかさん。「配当がいいので米国株を始めました。今流行のIT企業じゃなく、トラディショナルな企業の株や配当貴族といわれる銘柄を保有しています」

1株から始められる「米国株投資」

──では、3つ目をお願いします。

 ロボアドバイザーをすすめます。僕は2017年から複数のロボアドを運用しているのですが、どちらも予想を上回る運用成績を上げています。インデックスファンド同様、短期間で大きく増やせるものではありませんが、長期的にこつこつ増やしたいという人にはおすすめします。

──4つ目は何でしょうか。

 これも最近、人気を集めているので「すでにやっている」という人も少なくないと思いますが、ポイント投資をすすめます。

 実は僕、楽天市場のヘビーユーザーでして、気付いたら「楽天ポイント」が10万ポイントほど貯まっていたんです。「お買い物マラソン」など買い回りセールのときにまとめ買いするとか、いろいろ工夫もしていましたが(笑)。それで楽天のポイント投資を始めたんです。

──たしかに投資初心者にはピッタリですね。

「楽天ポイント」を貯めている人なら1円も使わず、投資を始められるわけですからね。これはもう、絶対にやってみるべきです。

──では、最後5つ目をお願いします。

 迷うところですが、米国株投資にします。

──のがたかさんも最近、始められたんですよね。でも、外国株って初心者にはハードルが高くないですか。

 実はそうでもないんです。米国株は日本のネット証券などで普通に買えますし、英語力も必要ありません。それに、日本株と違って1株から買えるので、少ない資金で始められるという良さもあるんです。

──なるほど。

 ですから、最近は投資経験の浅い人なども米国株を始めています。

──米国株投資の魅力は?

 米国には日本企業が束になってもかなわないような超優良企業が数多く存在します。そして、それらの企業の多くは何十年にもわたって増配を続けています。つまり、それらの銘柄を保有していれば、今後も長期にわたって安定した配当を受けられる可能性が高いんです。

 僕自身は始めたばかりなので、今のところそれほど大きな額は受け取っていませんが、今後、投資額を増やしていけば、かなりの配当を得られると期待しています。

──日本企業に投資するよりも高い利回りを期待できると?

 はい、長期的に見ればそうだと思います。

──以上、5つ挙げていただきましたが、投資初心者にとってとっつきやすいというか、いちばん手軽に始められるのはどれでしょう?

 一番はやはりポイント投資でしょう。次がロボアドバイザーで、その次が残りの3つだと思います。でも、どれも決して危険なものではないし、それなりにリターンも期待できるので、ぜひトライしてほしいですね。

──リスクを取ることを恐れず、積極的にチャレンジしていく投資スタイルが印象的でした。今日はありがとうございました。

新しいものにどんどんチャレンジするのが、のがたかさん流。最近は不動産投資も始めたとか。「地元で古民家を購入し、どう活用するか考えているところです。農業体験ができる民泊とか、やってみたいですね」と楽しそうに話してくれました。

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