先週1週間の値動きを確認し、今週1週間の値動きを考える参考材料を探しましょう。
ビットコイン、先週は上昇率1位
先々週まで2週連続で下落率1位だったビットコイン[暗号資産]は、先週、一転して上昇率1位になりました。週初に80万円の節目を回復したことをきっかけに、上値を伸ばしました。
上昇率2位の小麦[商品]は、米国で、冬小麦の作付面積が減少する懸念が生じたことなどをきっかけに上昇しました。一方、下落率3位の大豆[商品]は、トランプ大統領が香港人権法案に署名をしたことで米中間の対立が深まり、予想された中国の米国産大豆の輸入増加が実現しない懸念が生じて下落しました。同じ穀物でも、それぞれが抱える事情が影響し、正反対の値動きになりました。
また、下落率2位の天然ガス[商品]は、米国国内の気温上昇予想や生産増加見通しが出たことなど、複数の下落要因が重なり、下落率が大きくなりました。
2019年11月25日(月)から11月29日(金)までの週のジャンル別騰落率
※先週からビットコイン[暗号資産]の価格は楽天ウォレットの円建て価格を参照します。
図:ジャンル横断・騰落率 11月25日(月)から11月29日(金)まで
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※騰落率は当該週の週足の始値と終値を参照して算出。(終値-始値)/始値。
※ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン/円を参照。日本時間の月曜日午前6時と土曜日午前6時を比較。
※プラチナはCME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物(中心限月)価格を参照。
先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先週、米中貿易戦争を巡り、大きな出来事が発生しました。前回トランプ米大統領が、香港で人権弾圧に関わった中国当局者に対して制裁を科すことを可能にする法案「香港人権・民主主義法案」に署名をするかどうかに注目、と書きましたが、11月27日(水)、同大統領は署名し、この法律が成立しました。
中国側はこれに対して内政干渉と、強く反発しています。同法律の成立によって、昨年春から引き上げ合戦を行ってきた関税を両国が部分的に引き下げることや、中国が米国産農産物の輸入を拡大することなどを盛り込んだ、米中間の「第一段階」の合意は、実現が遠のきました。
さらには、後に続く第二段階以降の合意のタイミングも遅れることが予想され、第一段階が合意に至り、米中貿易戦争が鎮静化することを期待していた市場参加者の間では、一連の情勢に対する不安・懸念が強まっています。
このような状況の中、今週、注目されるのは、11月30日(土)に公表された中国のPMI(購買担当者景気指数)がやや改善したことが、週明けのマーケットをどれだけ安心させることができるか。そして、公表が予定されている主要国の景況感を示す複数の経済統計が、仮に強い内容だった場合、素直にマーケットがそれらを好感して上昇するかどうか、という点です。
つまり、経済統計が、米中貿易戦争への強い不安や懸念を相殺した上で、安心や期待を市場にもたらすことができるか? ということです。
今週は、米中共に景況感を示す複数のPMIや、米雇用統計の発表が予定されており、11月時点の米中貿易戦争による両国の経済への影響が分かります。米中貿易戦争が激化に向かう懸念が強まる中、経済統計がどれだけその懸念にあらがえるかに注目です。
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