スタート時は自己資金を「高いCCR」で運用

 前々回の続きです。

 このプランのポイントは、以下の2つです。

1.自己資金と諸費用に対する年間キャッシュフローの割合を示すCCR(投資収益率)の数値をレバレッジ効果の活用で、平均10%以上で運用ができるようにローンを組むこと

2.家賃収入を再投資し「複利効果」を活用することです。

 マンション経営のスタート時は、レバレッジ効果を活用し、自己資金を高いCCRで運用することがカギです。そして、通算家賃収入1億円を達成するには、どれだけローンが組めるかもカギとなってきます。

「定年前に完済可能」な金額であることも重要

 定年後に年収500万円を得る目安は、「1億円前後」の運用が必要です。しかし、ワンルームマンションのデメリットは大きな金額を運用できないことになります。そのためにも、1億円分の物件をローンで購入できるノウハウを身につけることが大事です。これから始める人は、不動産業者に相談し、提携している金融機関を紹介してもらうのも手段の1つかもしれません。

 もちろん、定年前に完済可能な金額であることも、安全なマンション経営のセオリーになります。なぜなら、60歳以降にローンが残ると金利の上昇や急な支払いがあった時に対応できない可能性があるからです。そして、収益を再投資し複利効果を活用し、キャッシュフローを加速させる工夫をしていくことも大事になってきます。

 不動産投資は、物件で運用の優劣が決まるのではなく、ローンの組み方や返済の仕方も成功における重要な要素です。都心の築浅中古ワンルームマンションの利回りが他の物件に比べて低いのは、リスクが極めて少ないからになります。リスクの低い物件をファイナンステクニックで高収益になるよう運用していくことで、ローリスクハイリターンの運用状況を自分自身で作ることが可能です。

 Jリートなどの機関投資家をはじめとする不動産投資の本当のプロは、利回りが低くてもファイナンステクニックを駆使した賢いやり方を用いて運用することによって、結果を出し続けています。 

(仲宗根 和徳/株式会社和不動産 代表取締役)

※この記事は2017年7月3日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

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