前日(8月31日)の市況
ドル/円:ドル買いの流れが続くマーケットでドル/円は続伸
欧州時間に110.66円まで高値を更新しました。ところが、NY時間になってムニューシン米財務長官が「ドル安は米国の貿易にとって有益」と発言。ドル売り方向に調整が入り110円を割ると、109.88円まで下落。終値は、109.953円(前日比-0.312円)でした。(チャート1)一方、ユーロ/ドルは続落スタート。フランス財務相によるユーロ高懸念発言がさらに売りを強め、1.1822ドルまで売られました。ただその後は、ムニューシン発言で1.1922ドルまで買い戻されました。
今夜の見通し
今夜は米国の8月雇用統計の発表があります。水曜日に発表されたADP(米国の大手給与計算アウトソーシング会社)の雇用データが良かったこともあって、マーケットでは期待が高まっています。予想より良ければドル/円は上昇、悪ければ下落することになるでしょう。
ちなみに、先月と先々月の雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)は、いずれも結果が予想を上回り、ドル/円も上昇しました。ところがマーケットはどう反応したかというと、それに対して売り向かい、結局、ドル/円は大きく下がっています。(チャート2)
7月(6月雇用統計)のときは、ドル/円は113円台前半から114円に乗せましたが、翌週火曜日の114.49円が高値になって、その後110円台半ばまで失速。8月(7月雇用統計)のときは、発表後に111円台まで上昇したあと108円台へ。結局、この日につけた111.04円が8月の高値となりました。たしかにドル/円は良い結果に反応しました。しかし流れは続かず、絶好の売り場を提供しただけに終わりました。だからといって、今回も同じ動きをするとは限りません。雇用統計が悪く下げても、買い場になることもありえます。予断を持たずに臨むことが大切と考えます。
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本日発表される注目指標
今回8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)+18.0万人(前回+20.9万人)、失業率4.3%(前回4.3%)が市場予想になっています。平均労働賃金の予想は、前月比+0.2%(前回+0.3%)。また、景気指標のISM製造業とミシガン大学消費者態度指数にも注目です。欧州では、製造業PMIの改定値が発表されます。速報値は堅調でした。欧州経済は本格的な景気回復サイクルに入ったとの見方が強まっています。英国も製造業PMIの発表があります。
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