今日は、2種類の高配当利回り株をご紹介します。攻めの6銘柄と、守りの6銘柄です。

(1)攻め・守りの意味

 本レポートでは、景気敏感業種(自動車、機械、総合商社、化学など)から選ぶ株を「攻めの銘柄」、景気変動の影響が比較的小さい業種(通信、食品、医薬品、大手銀行など)から選ぶ株を「守りの銘柄」と呼びます。守りの銘柄は、株式市場で、「ディフェンシブ株」と呼ばれることもあります。

 攻めの銘柄は値動きが荒く、下げる時は大きく下げ、上げる時には大きく上げる傾向があります。

 これに対し、ここで守りの銘柄と呼ぶものは、攻めの銘柄より価格変動が小さくなる傾向があります。ただし、株である以上、値上がり値下がりはします。あくまでも、相対的に値動きが小さいというだけですので、ご注意ください。

(2)攻めの6銘柄

 貿易戦争がエスカレートする不安が高まった5月に、株式市場で、景気敏感株売り、ディフェンシブ株買いの流れが広がりました。貿易・ハイテク戦争の影響で世界景気がピークアウトする懸念を表しています。

 米国とメキシコの貿易戦争激化は、何とか防げそうですが、米中の貿易戦争が収束に向かう気配はまだありません。そんな時に、あえて景気敏感株を買う必要はあるのでしょうか? 私は、景気敏感株売り、ディフェンシブ株買いの二極化は、やや行き過ぎの可能性もあると感じています。

 これからリーマンショック並みに世界景気が悪化するならば、景気敏感株の売りは、ここからさらに加速するでしょう。ただし、もし世界景気がゆるやかに減速するだけならば、今の景気敏感株は「売られ過ぎ」の反動で、上昇することが期待できます。
 世界景気の先行きを断定的に判断できませんが、売られ過ぎと考えられる景気敏感株について、少し「試し買い」を入れてみても良いと思います。

 今日、選んだ、「攻めの高配当利回り株」は、業績堅調にもかかわらず、景気悪化の懸念から売られてきた景気敏感株を選んでいます。

攻めの高配当利回り6銘柄:2019年6月12日時点

コード 銘柄名 主要事業 決算期 配当利回り 最低投資額
8591 オリックス リース 3月 5.6% 157,250円
8053 住友商事 総合商社 3月 5.5% 162,250円
4188 三菱ケミカルHD 化学 12月 5.3% 74,940円
6301 小松製作所 建設機械 3月 4.5% 245,250円
7267 本田技研工業 自動車 3月 4.0% 277,650円
3436 SUMCO 半導体材料 12月 4.0% 124,500円
注:配当利回りは会社予想ベース。ただし、オリックスのみ楽天証券予想。最低投資額は、6月12日終値で最低投資単位100株を買うのに必要な金額

(3)守りの6銘柄

 世界景気が減速しても業績への影響が相対的に小さいと考えられる「ディフェンシブ株」の中から、配当利回りが高めの銘柄を選びました。

守りの高配当利回り6銘柄:2019年6月12日時点

コード 銘柄名 主要事業 決算期 配当利回り 最低投資額
2914 日本たばこ産業 タバコ 12月 6.1% 253,600円
8306 三菱UFJ FG 銀行 3月 4.9% 51,300円
8411 みずほFG 銀行 3月 4.9% 15,270円
9437 NTTドコモ 情報通信 3月 4.9% 246,450円
4502 武田薬品工業 医薬品 3月 4.7% 381,500円
9433 KDDI 情報通信 3月 4.0% 271,800円
注:配当利回りは会社予想ベース。最低投資額は、6月12日終値で最低投資単位100株を買うのに必要な金額


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