10連休に予定されている重要イベント

 10連休の間、海外では重要な経済指標がたくさん出ます。世界景気に不透明感が強まっているだけに、普段よりも注目度が高まっています。世界景気の減速が一段と深まるのか、あるいは持ち直しの兆しが見られるのか、注目されます。特に重要なのは、米国および中国の指標です。

10連休で日本の証券取引所が閉まっている間に出る重要指標、イベント

注:楽天証券経済研究所が作成

 上記は、為替(ドル円・ユーロ円)や日本株に影響がありそうな主要指標をあげたものですが、月初は他にも各国でさまざまな指標が出ます。総じて、世界景気に対するセンチメントがどう変わるか、注目されます。

経済指標だけでなく、1~3月の決算発表も重要

 特に、米国企業の決算発表には、アルファベット(グーグルの親会社)、アップルなど日本企業への影響が大きいものも含まれるので、目が離せません。

 日本企業は、GW中は決算発表を行いませんが、GW前後に3月期決算企業の決算発表が集中します。決算でサプライズがあると、個別企業の値動きが大きくなる時期です。前期(2019年3月期)実績も重要ですが、それ以上に、会社が発表する今期(2020年3月期)業績予想が重要です。

 そこで気になるのが、4月26日(金)15時に多数の重要決算が発表されることです。コマツ(6301)日立製作所(6501)ソニー(6758)村田製作所(6981)東京エレクトロン(8035)NTTドコモ(9437)などの3月期決算企業が、26日15時に決算発表を予定しています。決算内容がわかるのは、証券取引所が閉まった後です。

 15時以降も、PTS(私設取引所)夜間取引で売買できますが、売買高は限定されます。決算内容を受けた売買が証券取引所で行われるのは、GW明けの5月7日(火)となります。サプライズが多ければGW明けの株式市場の変動性を高めます。

日米首脳会談で何か重要発表があるか?

  連休中に予定されている重要イベントとして、26日午後(日本時間で27日午前)、ワシントンで開かれる日米首脳会談があります。

 安倍首相は、4月22日から29日の日程で、欧米6カ国(米・仏・伊・加・スロバキア・ベルギー)を訪問しますが、その中でもっとも重要なイベントが、トランプ大統領と直接会う「日米首脳会談」です。

 日本は、6月28・29日に大阪市で開催されるG20(20カ国・地域の首脳会談)の議長国です。自由貿易の推進やデジタル経済への制度面の対応など現存する幅広い問題での国際連携を働きかけ、合意を得ることを目標としています。その事前準備として、今回の欧米歴訪があります。

 中でも、もっとも重要なのが日米首脳会談です。今回は、日米の連携を一段と強化することをアピールする内容となると考えられています。北朝鮮の非核化問題や、日米のTAG(物品貿易協定)、サイバー・宇宙空間の防衛問題などで話し合いが行われる見込みですが、双方が合意できない内容は含まれないと考えられています。TAG交渉でも、既に、TPPで一度両国が合意した以上の要求は出さないと示唆されています。

 首脳会談の後、夕食会や翌日にはゴルフも予定されており、親密さをアピールする形になると考えられます。

 トランプ大統領は、4~6月に、安倍首相と3回会うことが予定されています。4月22日・23日の会談のあと、5月25~28日に国賓として来日し、安倍首相と再会します。その後、6月28・29日のG20でも会談する予定です。短期間に3回も日米首脳会談を行うのは異例で、日米連携強化が進むと考えられます。万一、日本に厳しい要求を突きつけてくるようになると、ネガティブです。

米中通商協議、ブレグジットで何らかの進展あるか?

 スケジュールとして事前に予定されていることはありませんが、米中協議では、トランプ大統領によるツイッターでのメッセージ発信を含め、いつ重大発表があってもおかしくない状況です。世界の株式市場にとってポジティブ・ネガティブ、どちらの発表もあり得ます。

 ブレグジット(英国のEU離脱)では、特に新しい情報は出ないと思います。ただし、英国がブレグジットを問う解散総選挙や、国民投票の再実施に動くという話しが出れば、ポジティブと考えられます。ブレグジットに否定的な今の世論を映し、ブレグジット撤回という可能性も出てくるからです。
 

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