前回のテーマは「取引時間」でした。「取引所の1日」は、夕方16時30分に始まり、翌営業日の15時15分に終わる、というものでした。また、東京市場(東京商品取引所)は日中も欧米市場が活発になる夜も、両方の時間帯で取引ができる市場であることについても触れました。

今回は、「取引所の1日」に関わる点として“指値注文の有効期限”について触れたいと思います。※楽天証券の商品先物専用取引ツールである「マーケットスピードCX」の仕様に基づいた説明です。

以下の画面の見本のとおり、マーケットスピードCXの注文を発注する画面で指値や成行きなどの“執行条件”を選択する箇所で“指値”を選択した際、注文の有効期限の箇所では「当セッション」「当日」「週末」「月末」「GTC」の5つが選択できます。(GTCとは注文が約定するか取り消されるまで有効とする“Good Till Cancel”の略称です)

出所:マーケットスピードCXの画面より筆者作成

まずはこれらの5つの有効期限について見ていく上で重要な、前回述べた「取引所の1日」についておさらいしてみたいと思います。以下、時刻の表記はすべて日本時間・24時間表記、日付はすべて2017年の日付とします。

図:「取引所の1日」イメージ ※本日を7月19日(水)とした場合

出所:筆者作成

 

取引所の1日は夕方の16時30分から始まり、翌営業日の15時15分に終了します。(前営業日の16時30分から始まった1日の終わりは当営業日の15時15分)

また、上図のとおり その1日は、夜間セッション(16時30分から翌5時30分)と、日中セッション(翌営業日8時45分から15時15分まで)の2つのセッションに分かれています。

これらの点から、5つの有効期限の選択において、それぞれいつまでその注文が有効か?ということについて、以下のとおり大まかに記してみました。

図:5つの有効期限の期限について

有効期限の選択肢 期限
当セッション 発注時刻が属するセッションの取引終了まで
当日 発注時刻が属する営業日の取引終了まで
週末 発注時刻が属する営業日を含む週の金曜日の取引終了まで
月末 発注時刻が属する営業日を含む月の最終営業日の取引終了まで
GTC (約定するかその注文が取り消されるまで)

出所:筆者作成

具体的には以下のとおりです。

図:7月19日(水)午前中に指値注文を発注した場合の有効期限のイメージ

  ※矢印の長さはあくまでイメージであり実際の有効期限の長さを正確に表すものではありません。

出所:筆者作成

 

取引所の1日は15時15分に終了します。これは同時に日中セッションの終了でもあるため、日中セッションの時間帯に「当セッション」または「当日」を有効期限として発注した指値注文の有効期限はともに7月19日(水)の15時15分となります。

「週末」については、発注時刻が属する営業日である7月19日(水)を含む週の金曜日の取引終了、つまり7月21日(金)の15時15分となります。

「月末」については、発注時刻が属する営業日である7月19日(水)を含む月の最終営業日の取引終了、つまり7月31日(月)の15時15分となります。

「GTC」については、その注文が約定するか取り消されるまでとなります。

もう一つ例を挙げます。

図:7月31日(月)17時に指値注文を発注した場合の有効期限のイメージ
※矢印の長さはあくまでイメージであり実際の有効期限の長さを正確に表すものではありません。

出所:筆者作成

この例の発注時刻は17時であるため、夜間セッションでの発注となります。夜間セッションでの指値注文について有効期限を「当セッション」とした場合、夜間セッションの終了が有効期限となります。(この場合は8月1日(火)5時30分)

加えて、発注時刻が17時であることより、すでに8月1日(火)付けの取引時間帯での発注であることがわかります。

この時間帯に指値注文の有効期限を「当日」として発注した場合は当該営業日の取引終了時刻である8月1日(火)15時15分が有効期限となります。

「週末」の場合は発注時刻が属する営業日である8月1日(火)を含む週の金曜日の取引終了時刻である8月4日(金)の15時15分、「月末」は8月1日(火)を含む月の最終営業日の取引終了時刻である8月31日(木)の15時15分となります。

「GTC」については、その注文が約定するか取り消されるまでとなります。

指値注文の発注の際の有効期限の設定時は、発注するタイミングが夜間・日中のどちらのセッションに属するか?どの営業日に属するか?等、留意する必要があると思います。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。