前日(2月27日)の市場概況

ドル/円:107円戻すも、勢いに欠ける

 パウエルFRB議長は、この日行われた初めての議会証言において、米国の経済成長に自信を示し、また金融政策ではFRBが段階的な利上げを実施する方針を維持することを表明しました。

 パウエル議長の発言を受けて、ドル/円は107.67円まで急上昇。東京時間の安値106.77円に比べて0.90円のドル高になり、2月22日以来の高値をつけました。しかしドル全面高と言えるような勢いはなく、108円台手前からの売りに押し戻されて、終値は107.362円(前日比0.406円)。(チャート1)

 米国では個人消費のバロメーターである小売売上高が伸び悩み、この日の耐久消費財受注も予想以上のマイナス。慎重ながらも利上げは続けるというパウエル議長の「穏健的タカ派」姿勢はドルと米金利にとってはプラスな反面、株式市場にとってマイナス。この日のダウ平均は300ドル近い下落となりました。またカナダドルや新興国通貨などのハイベータ通貨にとってもマイナスといえます。

 

 

ユーロ/ドル:1.22ドル前半へ下落

 ユーロ/ドルは、1.2350ドルから上が強い抵抗ゾーンになっていて、この日も試しにいきましたが、1.2346ドルでストップ。上抜け失敗は先週から4回目となります。イタリア総選挙やドイツの連立政権が不確実になっている状況で、ユーロの上値追いに慎重さが見えます。(チャート2)

 パウエルFRB議長の議会証言後のユーロ/ドルは売られ1.2221ドルまで下落。この日発表された2月のドイツCPI(消費者物価指数)が予想を下回ったことはやや懸念材料。本日は、欧州の2月HICP(消費者物価指数)の速報値が発表されます。

 

 

豪ドル/ドル:パウエル議長発言で売られる

 豪ドル/ドルは、キャリートレードなどによる中長期投資の押し目買いや豪ドル/NZドルの需要で買い支えられる一方で、0.79ドルに戻るほどの元気はない状態。(チャート3,4)

 パウエルFRB議長発言は、ハイベータ通貨の豪ドルにとってマイナス要因で、0.7782ドルまで下値を拡大。来月6日にRBA会合が控えていてます。

 
 

 

この指標を見逃すな!! 2月28日の注目イベント

欧州2月HICP、米国10~12月GDP(改定値)など

 

経済指標についての解説は、今週のこの指標を見逃すな!をご覧ください。