子どもがお金を知るタイミングに行くと◎

―​ 小学生になると7割を超える子どもが「おこづかい」をもらうようになります(※)

親としては、このタイミングで「お金」の大切さや使い方を教えたいもの。それには親子で「お金」体験をしてみることが一番です。第1回は博物館編。主人公の小学1年のそうくん(7歳)が、お母さんと一緒に「日本銀行金融研究所貨幣博物館」へ行って、お金の歴史を楽しく学んできました。夏休みの自由課題にもぴったりですね。

※データ出所:2015年度「子どものくらしとお金に関する調査」(知るぽると 金融広報中央委員会)

 

貨幣博物館をさっそく見学

そうくん:ママはやく~!
ママ:そうくん、テンションたかい(笑)
2階の展示室入り口には和同開珎(わどうかいちん)のような日本を代表するお金がずらり。
※展示室内は原則撮影禁止です
そうくん:見て! 丸い大きな石があるよ
ママ:これは南太平洋のヤップ島で今も使われている「フェイ」という石のお金よ
そうくん:博物館のお姉さん、こんにちは
お姉さん:こんにちは。展示室にはそうくんが生まれるずっとずっと前に使われたお金から、今のお金までいろいろなお金が見られます。ゲームもあるから、きっと楽しいと思うよ
そうくん:これって貝のお金なの?
ママ:そうよ。これもヤップ島のお金で、貝貨(ばいか)という蝶貝(ちょうがい)を使ったお金なんですって
そうくん:貝ってことは、わるい人が勝手にたくさん貝を拾ってお金にしたらどうなるの?
お姉さん:ヤップ島の貝貨は、遠いところにある貝を使っていたのでズルできなかったようですよ

 

そうくん:ぼくの知らない漢字がたくさんある!
ママ:ここにある「へん」と「つくり」を組み合わせると、お金にまつわる漢字になるよ。昔は「貝」がお金として使われていたから「貝」の「へん」が多いね
そうくん:金色のきれいなお金だね。カッコイイな~
ママ:大判という金でできた江戸時代のお金だよ 

 

そうくん:この小判がいっぱい入ってるの?うわ、重い!!
ママ:小判が1000枚入った「千両箱」は重さが20キロ。うちの猫4匹分の重さになるよ
そうくん:大きい金色のお金がさわれるよ!
ママ:こんなに大きなお金、江戸の人はどんなお財布を使っていたのかしら?
お姉さん:これは小判よりも大きい「大判」(天正長大判)です。大判は日常の買い物には使わず、藩主が家来へのご褒美にあげたりしてたそうです。お財布のカタチは様々あって、持ち運びやすい小指のツメくらいの小さな金貨は、旅のお金として重宝されていました。当時は歩いて山を超えねばならず、道中で山賊におそわれないように、刀型のお財布に金貨をかくして旅する人がいたそうですよ
そうくん&ママ:へぇ~。なるほど
そうくん:わぁ。こまかいな!あれ、すみっこにむずかしい漢字があるみたい!?
お姉さん:お金を印刷するときに、すかし文字をいれてまねできないように、にせ札防止してたのよ
そうくん:見て!スタンプが押せたよ
ママ:そうくんだけのお金がつくれたね
お姉さん:藩札(はんさつ)と言って、江戸時代にそれぞれの藩が自分の領内で使うお金を独自に発行してたんですよ
そうくん:いろんなゲームもあるよ。
ママ:ゲームに夢中になっているうちに、昔のお金の呼び方や物の値段がわかってきたでしょう?
そうくん:ふしぎなさいころだね?
ママ:お金にまつわることわざが書いてあるよ。「猫に小判」だって。どんな意味かわかる?
そうくん:すっごく重いんだけど、これは何?
ママ:「1億円を持ってみませんか」って書いてあるよ。1億円のお札の束の重さ(10kg)がわかるんだって
やったー。見学終了! やりきったポーズ(どや顔)

 

どうだったかな?見学後に絵日記を描いてもらいました


そうくん:意味の分からない漢字がたくさんあったけど、ママに教えてもらって少し分かった。絵もちゃんとかけたよ。あとでパパに見せるんだ♪ 見たこともないお金がたくさん見られてうれしかった。スタンプは友達に見せるんだ。古いお金のスタンプだから、きっと驚くよ。

 

ママ:いいね! お金は昔からあって、昔の人も今の人もとても大切にしていたということがわかったかな? そうくんもお小遣いやお年玉を大切につかわないとね。


そうくん:昔の人はお金を大事にしていたっぽいね。でもパパはいつもお金をポケットに入れっぱなしにしていて、ママに怒られているよ。


ママ:そう。だからおうちに帰ったらパパにもお金のお話をしてあげてね。

大判と小判はきれいだったから黄色いペンでかくよ!
ジャーン!かっこいい金色(黄色い)の小判と、お気に入りの穴あき銭の絵が完成☆
 

お金の歴史

お金はいつ生まれたの?

貨幣博物館の展示は古代(7世紀~12世紀半ば)、中世(12世紀半~16世紀後半)、近世(16世紀後半~19世紀後半)、近代(19世紀後半~20世紀)に分かれています。古代の日本では7世紀末から10世紀半ばまで銭貨と呼ばれる金属製のお金が発行されていました。最も古い銅銭は中国の銭貨を手本にした「富本銭」と言われています。ところが10世紀半ば以降は発行されなくなり、それまでも使われていた米・絹・麻の布などがお金の役割を果たしました。中世では中国の銭貨が広く流通していたのですが、15世紀後半以降、銭貨が不足したころから国内外で私的につくられた銭貨が使われるようになりました。江戸時代になると幕府が金貨・銀貨・銅貨を発行、日本独自のお金が国内に流通するようになります。大判、小判、寛永通宝などは時代劇でもおなじみですね。近世の明治維新以降、統一通貨の「円」が導入(1871年)され、日本銀行が設立(1882年)されて紙幣の発行を始めました。ここから今に至るお札の歴史が始まります。

 

 

 

展示物まとめ

常設展示物は飛鳥時代(7世紀後半)の「富本銭」から始まり、各時代の貨幣の移り変わりが実物でたどることができます。お金とはどのようなものか、お金がどのようにして生まれ、使われてきたのかが、当時の文化や物の値段を通じて分かります。そして日銀の重要な仕事の一つであるお金の価値を安定させることの大切さを考える材料を与えてくれます。ゲームやさわれる展示物もあるため小学生でも楽しめそう。

2017年7月11日~9月3日までの期間、 夏休みこどもプログラムテーマ展「みんな夢中!昔のお金集め―お金の図鑑―」 が開催されています。夏休みの自由研究にもぴったりですね。

 

日本銀行(にちぎん)の場所は金座(きんざ)

現在、日本銀行本店のあるこの地は、江戸時代「金座」がありました。幕末までここで金貨がつくられていました。下の絵は「金座絵巻」

 

1869(明治2)年まで「金座」という場所がありました。江戸時代に鋳造工場である金吹所(きんふきしょ)、事務所の金局(きんきょく)、世襲の御金改役(ごきんあらためやく)の役宅があった現在の日銀本店の敷地です。金座には幕府から大判を除く金貨鋳造が許されていましたが、造幣局に吸収され廃止されました。

 

超レアな食べられる「お金」をお土産に

貨幣博物館の売店ではお金にまつわるお土産が買えます。「貨幣焼」はお札をモチーフにしたお菓子。ちょっとリッチな気分を味わえますね。
 
 
 
 
 
◎今回の取材場所

「貨幣博物館」

貨幣博物館のホームページ  https://www.imes.boj.or.jp/cm/

□ 住所:東京都中央区日本橋本石町1-3-1(日本銀行分館内)

□ 最寄り駅:東京メトロ/半蔵門線・銀座線「三越前駅」・東西線「日本橋駅」
JR/「東京駅」日本橋口

□ 開館時間:9時30分~16時30分(最終入館は16時まで)

□ 休館日:月曜日(ただし、祝休日は開館)、年末年始(12月29日~1月4日)

※展示入替等のため臨時休館することがあります

□ 入館料:無料

 

>>次回

トウシル編集の「それって本当?」にちぎん都市伝説ミステリーを取材