株式投資における失敗とは?
皆さんは、株式投資での失敗と聞いて、どのようなことを思いつくでしょうか。
持っていた株を売ったらそこから大きく上昇してしまったとか、買おうと思っていた株が知らない間に上昇していて乗り遅れた、と思う方も少なくないでしょう。
ただ、これらは「利益を得ることができなかった」わけで、損失を被ったわけではありません。次の機会にしっかりと利益を得られるような行動をとればよいのです。
しかし、買った株が大きく値下がりして塩漬け株になってしまったのであれば、これは実際に多額の含み損を抱えてしまっている、つまり自分の資産が減少していることになります。実際に売却すれば大きな損失が実現してしまいますし、我慢して保有し続けても、株価が戻らないことも多くあります。
個人投資家が避けるべき失敗として重要なのは、圧倒的にこちらです。
そして、最も悲しい失敗といえば、買った株が倒産して、株が無価値になってしまうことです。これだけは何としても避けたいものです。
投資初心者の方は、倒産のリスクが高いかどうかの見極め方が分からない…ということも多いかもしれません。
そこで今回のコラムでは、倒産リスクが高い会社の特徴をいくつかご紹介していきます。ぜひご参考にしてください。
倒産の可能性が高い会社(1)赤字が続いている
まず第一に倒産の可能性が高い要因として挙げられるのが、「赤字が続いていること」です。
損益計算書と貸借対照表は連動しており、損益計算書の当期純利益の金額は、同額の純資産の増加をもたらします。ですから業績がよく、黒字が続けば純資産も増加していきます。
一方、赤字が続くと、貸借対照表の純資産が減少していきます。純資産の減少が続けば、債務超過(資産より負債が多い、言い換えれば会社にある資産を全部売り払っても借金を返しきれない状態)に陥ってしまいます。
また、赤字が続けばキャッシュ(現金)も減少していきます。赤字でも手元に潤沢なキャッシュがある、もしくは足りないキャッシュを銀行などから借り入れで調達できるのであればまだよいですが、赤字が何年も続くと、銀行がお金を貸してくれなくなる可能性が高まります。そうなると、資金不足に陥り、お金が回らなくなって倒産してしまう危険性が大きくなるのです。
倒産の可能性が高い会社(2)貸借対照表からみた安全性に懸念がある
貸借対照表は、企業の安全性をみるのに役立ちます。
例えば自己資本比率は、総資産のうち自己資本(おおむね純資産と同じと考えてもらって構いません)がどのくらいの割合を占めているかを表します。
貸借対照表の右側(貸方)は、負債と純資産の合計です。自己資本比率が高ければ高いほど、純資産が大きく負債が小さいことを表します。
業種により異なりますが、自己資本比率が50%以上あれば健全といってよいでしょう。逆に自己資本比率が10%を切っているような会社は要注意です。
もしその状況で今後赤字が続くと、純資産がさらに減少して、債務超過に転落してしまうかもしれません。
債務超過になると、まず銀行はお金を貸してくれなくなりますので、資金繰りが非常に厳しくなります。また、債務超過となった場合は、それが改善されなければ一定の猶予期間を経たのち上場廃止になってしまいます。
倒産の可能性が高い会社(3)営業キャッシュ・フローが何年も連続でマイナス
前回のコラムで、キャッシュ・フロー計算書から倒産の可能性を見つける方法についてお話ししましたが、営業キャッシュ・フローが何年も連続してマイナスとなっている場合は要注意です。
損益計算書が黒字である一方、営業キャッシュ・フローが何年も連続してマイナスのケースは前回のコラムにてリスク要因をご説明した通りですが、そのような事例はそれほど多くはありません。
倒産の危険が高い典型例は、営業キャッシュ・フローが何年も連続してマイナスであり、かつ損益計算書をみても赤字という状態です。損益という面からみても赤字だし、キャッシュの観点からみても、本業でキャッシュを稼げず逆にキャッシュが流出しているということです。
これに加え、自己資本比率が低かったり、キャッシュ・フロー計算書に載っている現金同等物の残高より有利子負債(借入金や社債など利息をつけて返さなければいけない負債)が大きかったりすると、倒産リスクは高まることになります。
倒産の可能性が高い会社(4)継続企業の前提に関する疑義注記・重要事象の記載
ここまで述べてきたような事柄、例えば「赤字が何年も続いている」とか、「債務超過である」、「営業キャッシュ・フローのマイナスが何年も続いている」というのは、いずれも倒産リスクが高い状態を示すものです。
実はこうした倒産リスクが高い場合は、それを企業側が自ら表明しないといけないというルールがあります。これを継続企業の前提に関する「注記」もしくは「重要事象」の記載と言います。
平たく言えば、わが社は他の会社に比べて倒産リスクが高いですよ、ということを公表しているのです。
そして、「注記」のケースと「重要事象」のケースとでは、注記の方がさらに危険度は高くなります。過去の実例をみると、実際に倒産する企業は、継続企業の前提に関する注記もしくは重要事象の記載があったものが大多数でした。
この継続企業の前提に関する注記もしくは重要事象の記載は、決算短信や有価証券報告書といった開示資料にあります。また、会社四季報には、これらに該当する銘柄が一覧表になっていますので、倒産リスクを避けたいという方はよく確認しておくとよいでしょう。
倒産してしまう会社は、実際に倒産する前にその予兆が決算書にすでに表れていることが多いですから、本日ご説明したようなポイントに注意しつつ、銘柄選択を行ってくださいね。
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