10月23日:石油メジャーの2017年7-9月期決算、ペトロチャイナは前期比で大幅減益見通し

 中国の石油メジャー2社、ペトロチャイナ(中国石油天然気:00857)、シノペック(中国石油化工:00386)は10月30日に2017年7-9月期決算を発表する予定だ。BOCIによれば、ペトロチャイナはこれまでの原油価格の回復を受け、前年同期比で大幅増益を達成するとみられるが、前期比では逆に大幅減益となる見込み。一方、石油精製最大手シノペックの同期純利益は前年同期および前期を小幅に上回る見通しという。

 まずペトロチャイナの7-9月期純利益について、BOCIは中国会計基準、国際会計基準でいずれも前年同期比168%増の32億元を見込む。ただ、前期比では、主に川上事業の業績悪化が響いて54%の減益となる見通しという(中国および国際会計基準)。事業別では、4-6月に50億元の営業利益を計上した川上の探査・生産(E&P)部門が、7-9月には17億元の営業赤字に転落すると予想(国際会計基準、以下同じ)。その主因として、原油実勢価格の前期比推定7%の低下を挙げた。一方、石油精製部門の営業利益は前期比44%増の79億元に上る見込み。7月後半からの原油価格の上昇を受け、国家発展改革委員会が8月初めと9月半ばに2度、ガソリンおよびディーゼル油値上げを実施したことで、1バレル当たり利益が約1.4米ドルの幅で上向く見通しという。このほか、化学部門の営業利益については前期比横ばい、石油販売部門に関しては同15%の営業減益を予想。さらに天然ガス部門については輸入損失の増加を受け、営業利益が前期比44%減の23億元にとどまるとみている。

 また、ペトロチャイナの2017年1-9月期決算について、BOCIは純利益が前年同期比818%増の159億元に上ると予想。大幅増益の理由として、前年同期比での原油高を受けたE&P部門の業績改善や実効税率の低下、さらに少数株主権益の低下を挙げた。

 一方、シノペックの7-9月期純利益について、BOCIは国際会計基準で前年同期比5%増、前期比では微増となる108億元を見込んでいる(中国会計基準では同4%増、同1%減の103億元)。前期比では26%の営業増益が見込まれるものの、所得税率の正常化(前期の15%から25%に上昇)が相殺する見通しという。事業別では、E&P部門の営業赤字が前期比16%減の105億元に縮小すると予想。原油実勢価格が7%安の1バレル当たり42.8米ドルにとどまる半面、前期に35億元に上った減損損失の消失が部門赤字の縮小に寄与するとみている。また、精製部門の7-9月期の営業利益は利幅改善を受け、前期比47%増の186億元に上るとの見方。その理由として、8月、9月の石油製品価格の値上げを挙げた。このほか、販売部門、化学部門の営業利益については、それぞれ前期比23%減の57億元、同11%増の40億元を予想している。

 シノペックの1-9月期純利益について、BOCIは前年同期比28%増の387億元を予想。同10%の営業増益や、系列会社・合弁会社の持ち分利益の同68%増などが寄与する。