16年10-12月の新規受注が予想以上に好調、強気の17年目標を設定

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01800 中国交通建設 (チャイナ・コミュニケーションズ・コンストラクション)  10.02 HKD
(03/01現在)
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中国交通建設の2016年10-12月期の新規受注と、経営陣が示した17年の受注目標はいずれも、BOCIの予想、市場コンセンサス予想を上回る水準となった。10-12月期の新規受注は前年同期比16.9%増の2554億元。国内の投資プロジェクトの増加や海外での受注増を受け、中でもインフラ建設受注が同21.9%の伸びを達成した。10-12月の好調を受け、16年通期の新規受注は前年比12.4%増だった。また、経営陣が示した17年の受注目標は前年比23.2%増に相当する9000億元。BOCIは同社の17年の利益見通しと目標株価を据え置いた上で、「国有企業改革」期待やAH価格差(A株株価に対するH株株価のディスカウント率)が過去最大に達している点を指摘。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

16年10-12月期の新規受注の好調は主に、投資プロジェクト、海外建設プロジェクトの受注増(それぞれ前年同期比70.8%増、91.5%増)が背景。17年の受注目標とともに、BOCI予想、市場予想から上振れた。経営陣が示した強気の受注目標は、インフラ建設市場に対する同社の強気見通しの表れ。BOCIはこれを受け、17-19年の新規受注の予想伸び率をそれぞれ前年比23.2%、8.7%、8.2%に上方修正した。

16年通期の新規受注は7308億元だったが、全体に占める投資プロジェクト、海外プロジェクトの建設受注の割合はそれぞれ21.3%、28.2%。建設だけでなくその他業務を含む各種の投資プロジェクト受注は前年比76.8%増の1742億元に達し、新規受注全体の23.82%を占めた。投資プロジェクトの新規受注の中では、建設・据え付け契約が推定1508億元。BOCIは同社が他社に先駆け、投資マネジメント会社への転身を果たすとみている。

BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因として、国内のPPP(官民連携)プロジェクトの履行の遅れを挙げた。ただ、実際には、予想以上の遅れが生じる可能性は低いとみている。

BOCIによると、同社のH株株価は現在、17年予想PERでわずか8.4倍、17年予想PBRで0.8倍の水準にあり、インフラ建設銘柄やPPP恩恵銘柄の中で最もバリュエーションが低い。BOCIは同業の中国鉄建(01186)と同水準のPER(17年予想PER10.8倍)をあてはめる形で設定した目標株価を維持し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。