通行料収入の堅調と買収効果で先行き楽観、16-18年の利益見通し上方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00548 深セン高速公路 (シェンジェン・エクスプレスウェイ)  7.17 HKD
(03/01現在)
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BOCIは道路通行料収入の力強い伸びを理由に、深セン高速公路の2016年12月本決算の予想純利益を3.4%増額修正した。旧正月の時期的なずれという季節要因により、17年1月の業務統計は低調だったが、BOCIは17年の同社道路ビジネスを楽観。新たに買収したプロジェクトの貢献を反映させる形で、17年の予想純利益を5.0%引き上げた。H株目標株価を据え置きながらも、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。

16年通年の1日当たり平均通行料収入は前年比7.1%増。傘下の有料道路の大半で、利用台数が2桁増加したものの、新規増加分の多くが乗用車であったために、収入伸び率は1桁台後半だった。続く17年1月には、1日当たり通行料収入が前年同月を5.2%下回ったが(権益率変動の調整後)、これは主に季節要因。16年に2月だった旧正月休暇の初日が1月27日にずれたことで、旧正月連休中の有料道路“無料化”政策による影響が一部、1月の数字に反映される形となった。ただ、BOCIによれば、既存道路の通行料収入は17年いっぱい、緩やかな伸びを示す見通しという。

同社は16年12月、湖北省の武黄高速(武漢市-黄石市)の権益45%を総額4億5300万元で取得すると発表したが、この投資案件の推定IRR(内部収益率)は8.66%と、BOCIが算出した同社WACC(加重平均資本コスト)を上回る水準。また、続いて17年1月には、湖南益常高速公路開発有限公司を12億7000万元で全面買収すると発表したが、この案件のIRRも8.58%と、やはりBOCI換算の同社WACCを上回るという。買収対象企業は益常高速道路(益陽市-常徳市徳山間:全長73.1キロ)の運営権を所有。同高速の15年、16年の1日当たり平均通行料収入は93万100元、106万9600元だった。

16年の通行料収入が予想を上回ったため、BOCIは16年通期の予想売上高、予想純利益をそれぞれ小幅に増額修正した。一方、17-18年に関しては、新たな有料道路の買収効果を反映させる形で、予想売上高、純利益を増額修正。16年から18年の予想純利益をそれぞれ3.4%、5.0%、6.4%引き上げた。

BOCIはSOTP方式に基づいてH株目標株価を据え置いたが、この目標株価は1株当たり予想NAV(純資産価値)に対して12%のディスカウント水準。目標算出に当たっては、梅林關(Meilin Checkpoint)での不動産開発プロジェクトの分譲価格を1平米=4万2000元と想定したが、これは現在の住宅市況を見る限り、かなり控え目な水準であるという。一方、同社の潜在リスク要因として、BOCIは中国の有料道路ビジネスが政府当局の規定による影響をうけやすい点を指摘。委託運営期間や通行料金などが常に政策リスク下にあることに言及している。