16年通期利益は前年並みか、パイプラインの不振をターミナル事業がカバー
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00934 | 中石化冠徳控股 (シノペック・カントンズ) |
3.78 HKD (02/14現在) |
株価 企業情報 チャート |
中石化冠徳控股の2016年12月通期の純利益について、BOCIは前年並みを予想している。「楡済ガスパイプライン」(陝西省楡林-山東省済南)の輸送量は一段と落ち込んだものの、国内石油ターミナル部門の処理量の伸びがパイプライン事業のマイナス分をカバーする見通しという。一方、17-18年に関しては、一段の元安観測を反映させる形で、香港ドル建ての利益見通しを5-6%減額修正した。ただ、現在の想定値はかなり控えめな水準にあり、一段の下方修正リスクは限定的。また、同社株価が同業銘柄に比べて大幅なディスカウント水準にあることや配当性向の引き上げが支援材料になるとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
楡済ガスパイプラインの輸送量の減少は、15年に開業した山東LNGターミナルとの競争が原因。VAT(増値税)還付の剥落もあり、BOCIはパイプライン事業が前年比70%以上の大幅減益を余儀なくされるとみている。ただ、中国の原油輸入の同14%増を背景に、国内石油ターミナル事業は好調であり、これがパイプラインの減益をカバーする見込み。結果的に、16年通期純利益は前年並みとなる見通しという。
一方、BOCIは17年に関しても純利益の前年比横ばいを予想しているが、これは非常に控えめな予測。中国が16年に輸入した石油のうち約10%が備蓄に回ったことを踏まえ、同社石油ターミナルの17年の処理量については前年比わずか1%の伸びを想定している。BOCIは原油高を受け、中国政府が原油備蓄の積み増しを継続するかどうか分からないとしており、今回、同社利益モデルからこの要因を除外するという保守的なスタンスを取った。敏感度分析によれば、処理量が1%上乗せされるたびに、17年の同社利益見通しも1%ずつ上向くという。なお、発表されたばかりの最新統計によれば、中国の1月の原油輸入量は前年比28%の伸びだった。
同社株価は世界の同業銘柄を約50%下回る水準で取引されているが、これは主に、配当利回りの相対的な低さによるもの。経営陣はこの問題への取り組みを進めており、15年に12%だった配当性向を、16年には親会社シノペック(00386)並みの40%に引き上げる方針。また、系列会社や合弁会社の大半は大型設備投資を行わない場合に限り、すでに利益の100%を同社に振り向けている。
BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスク要因は、中国の原油輸入が予想外に速いペースで減速する可能性、楡済ガスパイプラインの輸送量が予想以上に落ち込む可能性――。
BOCIは香港ドル換算での利益見通しの下方修正に伴い、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。目標株価はSOTP方式に基づくもので、主に欧米同業銘柄のバリュエーションとリンクさせている。
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