16年の新規受注は28%増、17年も政府のインフラ投資強化策が追い風に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01186 中国鉄建股フン有限公司 (チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)  10.42 HKD
(01/24現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中国鉄建の2016年10-12月期の新規受注は前年同期比37.6%増と、7-9月期の同27.2%増から一段と加速し、BOCIの予想、市場コンセンサス予想からいずれも上振れた。中でも建設事業の新規受注が同40%増と好調。公共インフラや都市鉄道プロジェクトが建設受注の伸びに寄与した。16年通年では、新規受注は前年比28.5%増の1兆2190億元となり、建設、製造、不動産の受注がそれぞれ同31.2%、21.5%、35.1%の伸びだった。BOCIは続く17年の新規受注について前年比15.0%増を予測し、主に地方政府による積極的なインフラ投資姿勢が受注増を支えるとみている。また、国内全体のインフラ投資が10%台後半の伸びを維持する中、インフラ銘柄は主要投資テーマになり得ると指摘。同社の利益見通し、目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社の16年10-12月の新規受注は前年同期比37.6%増の5400億元と、過去最高を記録した。BOCIは同期の受注減速を見込んでいたが、実際には予想以上の力強さを示した。地方公共事業や都市鉄道プロジェクトの受注増が背景。鉄道(長距離)建設部門の新規受注の伸びは、前年同期実績の高さなどから同26%に減速したが、幹線道路の受注は110.2%の大幅増。また、地方公共事業や都市鉄道を含む「その他の建設」受注が69.4%増を記録した。

中国のインフラ部門の固定資産投資は16年に前年比15.8%増と、ほぼBOCIの予想通りだった。不動産引き締め策を受けて不動産開発投資の減速が見込まれる中、政府は国内経済の安定成長を維持するため、公共インフラ投資の強化を継続する見込み。BOCIは17年、18年のインフラ投資について、それぞれ前年比17.0%増、同16.2%増を予想し、従来型の成長牽引産業の中ではインフラ・セクターが唯一、17年の人気投資テーマになり得ると見ている。

BOCIは17年予想PER10.8倍をあてはめて目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。1桁台後半から10%台前半の利益成長を見込み、この目標株価のバリュエーションは適正との見方だ。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因としては、◇株式相場全体を取り巻く不透明感、◇国内のPPP(官民連携)プロジェクトの履行遅れの可能性――を挙げている。