17-18年の生産見通しを下方修正、生産量より採算性重視へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00883 中国海洋石油 (CNOOC)  10.00 HKD
(01/20現在)
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CNOOCは2017年の戦略プレビューの中で、17年、18年の生産見通しをそれぞれ5-7%、7-9%下方修正した。生産量の伸びより、採算性の改善を重視する方針。そのために、現在の価格環境の下で存続可能な新規プロジェクトの開拓に照準を合わせる。BOCIは生産見通しの下方修正を受け、16-18年の予想純利益を10-23%減額修正ししたものの、現行水準からの株価の上値余地を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

同社の16年の原油・ガス生産量は4億7600万BOE(石油換算バレル)。経営陣が年初に示した予想レンジ(4億7000万-4億8500万BOE)の範囲内だった。一方、下方修正後の17年の生産量見通しは前年比で3-5%減となる4億5000万-4億6000万BOEで、18年は4億5500万-4億6000万BOE。続く19年について、経営陣は今回、4億6000万-4億7000万BOEとの見通しを初めて明らかにしたが、これは前年予想を約1%上回る半面、16年実績を下回る数字。15-16年の設備投資の大幅削減が、長期的に同社の生産量に影響する見通しとなった。16年の設備投資額は前年比24%減の503億元。17年の設備投資計画は前年比20-40%増の600億-700億元となっている。

BOCIは向こう3年の利益見通しを減額修正したが、それでも17年に関する予想は前年比16倍の大幅増益。純粋な川上事業者であるCNOOCは、16年半ば以降の原油相場の回復による恩恵を受けやすいとした。BOCIはすでに、ブレント原油の17年の予想平均価格を27%上方修正し、1バレル=57米ドルに設定している。

原油価格は全面的に米ドル建てであるため、CNOOCは投資家にとって、一段の元安に備えるための選択肢となり得る。BOCIの試算では、元安が1%進むたびに同社の元建て利益は2%膨らむという。

16年通期決算は大幅減益となる見通しだが、配当の実施は可能とみられる。実際、16年6月中間期には77億元の純損失を計上したにもかかわらず、同社は1株当たり0.12HKドルの配当を行った。一方、BOCIによると、現在株価は17年予想PERで約12倍と、相対的に低水準にある。

BOCIは今回、利益見通しの減額に伴い、SOTP方式に基づく1株当たりNAV(純資産価値)を9.80HKドルから9.66HKドルに下方修正し、目標株価を小幅に引き下げた。新たな目標値も引き続き、NAVに対して20.6%のプレミアム水準となる。一方、BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因として、原油・ガス資産に絡む16年の減損損失が予想を上回る可能性、原油相場が急落する可能性を挙げている。