12月の業務統計が好調、物流子会社売却などで17年に好決算見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00670 中国東方航空 (チャイナ・イースタン・エアラインズ)  3.70 HKD
(01/18現在)
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中国東方航空の12月の業務統計は、BOCIの予想通り力強い内容となった。BOCIは主に最新の原油相場見通しや人民元の為替相場見通し、さらに物流子会社である東方航空物流有限公司(Eastern Logistics)の売却による影響を反映させる形で、同社の利益見通しを修正。2017年、18年の予想ROE(株主資本利益率)をそれぞれ1.1ポイント、1.2ポイント引き下げ、新たに13.2%、11.0%に設定した。ただ、H株、A株両方の目標株価を据え置き、うちH株の先行きに対して強気見通しを継続している(A株に対しては中立的)。

最新業務統計を見ると、RPK(有償旅客キロ)は12月に前年同月比17.2%増。16年通年では前年比14.5%の伸びを示した。また、旅客ロードファクター(有償座席利用率)は12月に前年同月比2.0ポイント高の78.8%と、引き続き高水準を維持。国内線、域内線、国際線の旅客ロードファクターがいずれも上向いた結果、12月としては過去5年間の最高を記録した。BOCIは12月の業務指標を予想通りとし、旅客部門の売上見通しを現行水準に据え置いている。

BOCIは17年、18年の営業利益見通しを9.0%、2.3%減額修正したが、これは主に、原油相場の想定値の変更や、最新の為替相場見通しを反映させた為替差損予想の修正によるもの。BOCIのエネルギーチームはブレント原油相場の17年、18年の想定値をそれぞれ1バレル=57米ドル(修正前51米ドル)、58米ドル(同55米ドル)に上方修正済み。マクロチームは人民元の対米ドル・スポットレートに関する17年末、18年末の予想値を7.5元(修正前7.25元)、7.8元(同7.40元)と元安方向に修正した。一方、貨物機運営と物流を手掛ける全額出資子会社・東方航空物流有限公司を親会社に譲渡するのに伴い、17年には一回性利益(税引き前)19億4950万元を計上するとみられ、通期純利益は高水準(62億6800万元を予想)に達する見込み。BOCIは航空貨物市場に対して決して楽観的ではなく、今回の東方航空物流の売却を前向きに受け止めている。

BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因として、一段の元安、国際原油相場の高騰を挙げた。

仮に一回性の子会社売却益を除外した場合、17年の予想ROEは2.7ポイント低下することになるが、BOCIの18年予想ROE(経常利益ベース)の下方修正幅はわずか1.2ポイント。BOCIは予想売上高を据え置いた上で、PBRとROEの格差に基づく目標株価を現行レベルに据え置いた。H株の目標株価は17年予想PBR1.1倍に相当し、過去5年平均の1.05倍とほぼ同水準となる。一方、A株についてはAH価格差に基づく目標株価を維持。H株の先行きに対して強気見通しを継続する半面、A株に関しては従来の強気見通しを中立的に引き下げている。