風力発電と天然ガスの両部門で業績回復、16年の大幅増益を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00956 新天緑色能源 (チャイナ・サンティン・グリーンエナジー)  1.17 HKD
(01/16現在)
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BOCIは最近行ったリサーチの結果、新天緑色能源の風力発電部門の設備稼働率が改善していると報告。さらに同社の2016年12月通期決算について、前年比176%の大幅増益見通しを明らかにした。国内ガラス業界の業況回復を受けたガス利用の拡大で、天然ガス部門の業績も上向く見込み。BOCIは16年本決算や四半期業務統計のポジティブサプライズが再評価の引き金になる可能性を指摘し、目標株価を大きく上方修正。株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。

同社は16年に、地方政府やその他取引先から1億3000万元を超える未収金を回収したもよう。これに伴い、16年通期の減損損失(主にガス部門)は約5000万元と、15年の2億1400万元から大きく縮小する見通しとなった。同社は14年時点で約10億元の売掛債権を抱えていた。また、河北省沙河市の複数のガラスメーカーが業況改善を理由に天然ガス利用を再開し、16年にはガス販売が大きく回復。年初に1日当たり30万立方メートルだったガス販売量が、12月には同70万立方メートルに急回復した。BOCIは17年のガス販売量について、前年比10%増を予想。特に前年同期実績が低い17年上期には12%の伸びが期待できるとし、これが短期的な支援材料になるとみている。

北京周辺では17年に入ってからも大気汚染が深刻であり、現地当局はガラス業界に対して天然ガス利用を奨励している。BOCIは沙河市での天然ガス利用は一時的な現象ではなく、今後も続くとの見方だ。また、経営陣は同市のガラスメーカーを対象にガス使用量計測器のアップグレードを実施し、事前にデポジットを支払う方式に切り替えていると報告。今後は未収金問題は発生しないとしている。

一方、BOCIは風力発電部門の16年の設備稼働時間数が2089時間に上るとの楽観見通しを示し、その理由として、地元河北省の発電制限率がわずか5%にとどまったことや風速の回復を挙げた。河北省は稼働時間数を保証している数少ない省市であり、この先も稼働時間の減少リスクは限定的。新たな施設(計740MW)の稼働に伴い、17年には部門利益が前年比38%増加するとみている。

同社の資産負債比率は17年中に上限の75%(国有企業に関する規定)に達する可能性があり、経営陣は資金調達に動く方針。新株発行計画が16年初めに株主に否決された事情から、永久債発行による15億元の調達を計画しているという。これにより、EPS希薄化に対する市場の警戒感は消える見通しとなった。

BOCIは稼働時間数の伸びや減損損失の減少見通しを理由に、16年、17年の予想EPSを147%、98%の幅で大きく増額修正した。SOTP方式に基づいて設定した新たな目標株価は、17年予想PER8.7倍、同PBR0.7倍に当たる水準。BOCIはROE が17年に8%に回復する見通しを示し、この目標水準を適正としている。