1月3日
“WANT”を筆頭に強気見通し、4-6月期の支援材料に期待

BOCIは本土のネット企業14社を対象に訪問リサーチを行うとともに、上海で開かれたゲームカンファレンス(12月26日-30日)に出席し、その結果として以下の業界情報を明らかにしている。◇従来型ポータルサイトや垂直型専門サイトは広告業務において、ニュースアプリToutiao(頭条)や微信のソーシャル機能Moment(朋友圏)との競争に直面している、◇垂直型専門サイトには個別に、不動産引き締め政策や経営陣交代などの不透明要因がある、◇2017年4-6月期には複数のネット企業に関してプラス材料が浮上する可能性が高い、◇オンラインゲーム大手は今後の作品展開の明確性が高い――など。今回の企業訪問の結果、BOCIは“WANT”を17年のトップピック銘柄とした。“WANT”は米ナスダック上場の新浪微博(Weibo)、NYSE上場のアリババグループ、ナスダック上場の網易(Netease)、香港上場のテンセント(00700)を指す。

BOCIによると、17年にはネット広告やゲーム、電子商取引などのサブセクターが、それぞれ異なる発展ステージを迎える見込み。うちネット広告に関しては、多くの広告会社がリコメンド機能やソーシャル広告において、ToutiaoやMomentの強さを指摘したという。この分野では今も、トラフィックが広告主の予算配分を決める上でのカギとなっている。一方、不動産の垂直専門サイトにとっては、政府当局による引き締め策や、それに伴う企業のコスト削減が逆風。自動車サイトについては、一部の経営陣交代が懸念材料。今後は自動車サイトのビジネスモデルの方向性が分かれる見通しという。

オンラインゲームに目を向けると、大手各社のタイトル展開の見通しが相対的に明確。網易は上海のゲームカンファレンスで約15の新作を発表。うち7作品はモバイルゲーム、3作品はPC向けで、17年上期に投入する。一方、テンセントはPC向け人気IP(知的財産権)タイトルのモバイル版移植を継続する見込み。BOCIによると大手にとっては引き続き、ゲームだけにとどまらない総合エンターテイメント戦略が焦点になる。

電子商取引セクターでは、前年実績の高さから総取引高(GMV)の伸びが減速する中、大手の優位が続くとみられる。BOCIによると、17年にはインハウス・ロジスティクス(荷主企業の自社物流)とパートナーシップモデルのどちらが高効率かが市場の焦点になる見込み。長期的にはオートメーション化が運営効率のカギを握る可能性が高い。

17年4-6月期には多くの企業で支援材料が浮上する見込み。香港上場のキングソフト(03888)は6-7月に、テンセントのプラットフォーム上でモバイルゲームの旗艦タイトル『JXオンライン3』の配信を開始する予定で、下期業績を牽引する見通し。

BOCIは各サブカテゴリーのうち、相対的に発展初期段階にあるソーシャル広告とゲームの成長見通しがより明確であると指摘。“WANT”4社のうちテンセントに関しては、市場の拡大を追い風としたMoment広告の伸びやモバイルゲームの好調を見込む