17年の収益見通しを楽観、生産力拡大と利益率改善を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02313 申洲国際集団控股 (シェンジョウ・インターナショナル)  48.95 HKD
(12/08現在)
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BOCIは生産力の拡大や利益率の改善を理由に、申洲国際集団の2017年の収益見通しを楽観している。コスト増大圧力に関しても、元安や前倒しでの原材料確保が寄与し、対処可能なレベルにあるとの見方だ。同社はベトナムでの衣料品工場の拡張に向けて新たな用地を取得済みであり、人員数に関しては向こう2年余りで倍増以上の伸びを見込む。BOCIは目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社の衣料品年産能力は17年に前年比15%拡大する見込み。うち半分がベトナム工場の貢献で、残りは中国やカンボジアでの生産効率改善が寄与する見通しという。ベトナムの衣料品工場の人員数は現在8000人だが、同社は17年末までに1万1000人、18年末までには2万人に増やす計画。BOCIはベトナムの生産能力が18年までに、同社全体の16%に達する見通しを示している(16年上期時点では約4%)。

主要取引先からの受注は今後さらに増加する見込み。経営陣は17年の生産計画の中で、ナイキ、アディダス、ユニクロ/プーマからの受注がそれぞれ20%、15%、10%増加すると想定している。中でもナイキのニット製シューズ「フライニット(Flyknit)」の受注は前年実績の高さにも関わらず、前年比50%の伸び(数量ベース)が期待できるという。BOCIはフライニットの総売り上げが向こう2-3年で倍増すると予想。最終的にはベトナムがフライニット生産量の半分を占めるようになるとみている。

BOCIは元安や製品ミックスの改善を理由に、平均販売価格が17-18年に2-3%上昇すると予想。また、同社がすでに向こう6カ月分の綿糸と3カ月分の合成繊維を確保済みであることに触れ、17年の大半において利幅縮小圧力は軽微にとどまるとみている。17年後期には綿糸スポット価格の上昇に伴う投入コストの増大が見込まれるものの、ベトナム工場の低コストや、綿糸、ポリエステルの供給充足がコスト圧力を一部相殺すると予想。その結果、同社の粗利益率は17年に0.4ポイント改善するとし、18年については横ばいを見込んでいる

BOCIは一段の元安を受けた金利負担の増大が、受注増や利益率改善といったプラス要因を一部打ち消すとみて、17年、18年の利益見通し(一回性要因を除く)を約2%ずつ増額修正した。利益成長率は16-18年に、年率平均20.4%に達するとの見方。予想PER20倍を当てはめた上で(これまでの18倍から上方修正)、目標株価を引き上げた。

一方、16年下期に関しては、生産増強を理由に前年同期比20%の増収を予想。さらに平均販売価格の上昇や元安を背景に粗利益率が31.3%から31.9%に改善するとし、一回性要因を除いた利益が前年同期比21%増加する見通しを示した。16年下期にはナイキ、アディダス、プーマ向けの売上構成比が計63.4%に上向くとみている(15年下期は61.2%)。