16年7-9月期に29%増益、17年上期も成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02018 瑞声科技控股 (AACテクノロジーズ)  68.80 HKD
(11/15現在)
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瑞声科技控股の2016年7-9月期の純利益は前年同期比29%増(前期比50%増)の11億元に達し、市場コンセンサス予想を6%上回った。売上高は同32%の伸びだった(前期比39%増)。経営陣によれば、こうした収益成長の勢いは17年上期も続く見込み。RF(高周波)ビジネスの顧客基盤が拡大しており、17年には非音響部門の売上高が音響部門を上回る見通しという。一方、懸案となっている楽視網(深セン300104)向けの売掛金について、経営陣はある程度時間はかかっても回収可能との見方。多額の引当金計上は必要ないとの認識を示した。BOCIは楽視網の一件に絡み、RF機器の生産増強計画がスローダウンする可能性を指摘。さらに楽視網の件を反映させる形で16年、17年の同社利益見通しを9.8%、8.1%下方修正したものの、株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。

7-9月期の粗利益率は41.8%と、前年同期比で0.2ポイント改善。純利益率も26.2%と、同1.8ポイント上向いた。ダイナミック(音響・振動)部品の売上高は前期比で25%増加し、全体に占める割合は51%。非音響部品の売り上げは前期比63%急増し、全体の45%を占めた。

1-9月期では前年同期比24%増収、17%増益。ダイナミック部品の売上高は同30%増加し、全体に占める割合は57%。非音響は34%増収で、全体の38%を占めた。また、国内顧客向けの売上高は57%増加し、全体の4割強。全体の粗利益率は41.4%だった。

16年に始まったばかりのRF事業においては国内の取引先が限られ、プロジェクトを選択する余裕もなかったが、16年10-12月期および17年には国内外の多くのアンドロイドブランドを取り込む見通しとなった。BOCIは同社側に選ぶ権利が生まれ、RF事業が力強い伸びを示すと予想。17年には主要収入源の一つになると見ている。

一方、音響部品事業ではスピーカーボックスの採用が予想以上の速さで進んでおり、防塵、防水、デュアルステレオといった新機能も浸透しつつある。ただ、今のところ防水機能の採用などはまだ一般的ではなく、この先の普及が成長につながる見通しという。

3Dグラスおよびレンズ事業に関しては、同社はROEと利益率を重視する方針。従って、全体の足かせにはならないとみられる。同事業は初期段階にあるために事業規模が小さく、粗利益率は適正レベルに達していないが、今後はスケールメリットの拡大が利益率の上昇を支える見込み。経営陣は生産増強計画を当初予定よりやや先送りし、17年上期に3Dグラスの年産能力を50万個に引き上げるとしている。

経営陣は10-12月期について前期比2桁増収を予想し、粗利益率は横ばい推移するとみている。また、17年には前年比20%の増収を達成するとの見方。設備投資は30億元以下にとどまり、粗利益率は前年並みとなる見通しを明らかにしている。