新製品効果で17年度下期の業績回復を予想、新規ブランドが長期成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00973 L'Occitane International S.A. (ロクシタン・インターナショナル)  15.50 HKD
(09/30現在)
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BOCIはロクシタン経営陣に対するリサーチの結果、2017年度第2四半期(16年7-9月期)について前年同期比1桁台前半の減収見通しを示した。主力ラインの新製品発売が空白期に当たったことに加え、全般にさえない消費センチメントや、テロ事件を受けた主力市場の旅行者消費の萎縮が背景。BOCIは増収ペースの減速や営業レバレッジ効果の悪化見通しといったマイナス要因や、有利な為替相場の変動、税率の正常化といったプラス要因を反映させる形で、17年度の利益見通しを2%減額修正。一方で18年度予想を据え置き、19年度については4%の幅で増額修正した。17年度に関しては予想値を引き下げたものの、それでも年度下期(16年10月-17年3月期)には新製品効果や前年同期実績の低さなどから、8%増収、13%増益を達成するとの見方。目標株価(17/18年度の予想PER23倍)を据え置き、株価の先行きに強気見通しを継続した。

ロクシタンの場合、新製品の売上構成比は通常約20%に達しており、17年度上期(16年4月-9月)には新製品効果に欠けたことが足かせとなった。機内販売、免税店販売の委縮なども出荷状況の委縮を招いたとみられ、BOCIは営業利益率の1.80ポイントの悪化を見込む。ただ、続く10-12月期に関してはクリスマス・コレクションの投入や、技術問題の解消に伴う中国本土および日本でのネット通販の伸びなどが、前期比での売り上げ増を後押しする見込み。さらに17年1-3月期も、新製品投入効果や前年同期実績の低さから、売り上げ回復が期待できるという。なお、同社は2020年3月年度までに、年商17億ユーロ(ほかにEBITマージン16%など)を達成するとの目標を設定済み。これが達成できれば、16-20年度の増収率は年平均7.3%に上ることになる。

BOCIによると、今後は新たなブランドラインが長期成長に寄与する可能性が高い。実際、同社経営陣は新規ブランドの売上構成比が16年度の5%から20年度には15%に拡大するとの見方。これが実現すれば、新規ブランドの増収率は年率平均41.2%を超えることになる。また、品目別では、BOCIはスキンケア(売り上げ構成28%)、フレグランス(同8%)が成長エンジンになると予想。新規ブランドの採算化やデジタル化向け投資の回収が見込める19年度が、同社にとって一里塚になるとみている。

地域別では、17年度の予想売上構成比が18%に上る主力の日本について、BOCIは7-9月期も既存店売り上げの縮小傾向が続くとの見方だ。シアバター製品やホワイトニングシリーズの発売が相次いだ1年前とは対照的に、新製品の投入に欠けたことや夏場の天候が理由。一方、予想売上構成比13%の米国に関しては、7-9月期の既存店売り上げの横ばいもしくは小幅減少を予測。予想構成比10%の中国本土に関しては、実店舗販売の不振をネット通販の好調がカバーするとみている。香港(予想構成比10%)やフランス(同8%)ではインバウンド旅行者の減少が引き続き響く見通しという。