水処理施設の新規プロジェクト2件を獲得、株価および業績アップの弾みに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
06136 康達国際環保 (カンダー・インターナショナル・エンバイロメンタル)  1.79 HKD
(09/08現在)
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康達国際環保 が天津寧河の汚水処理施設のアップグレードおよび鶴壁市山城区の湯河PPP(官民パートナーシップ)の2件の新規プロジェクトを発表した。BOCIは、プロジェクト獲得が同社成長の弾みとなり、投資判断の見直しにつながるものと指摘。同社は現在、16-17年予想PBR0.9-0.8倍と、競合に比べ45%のディスカウント水準で取引されている。BOCIは株価の見通しを強気に据え置き、目標株価をHK$2.10に引き上げた。湯河プロジェクトの最終合意と、今後の新規獲得が株価をさらに押し上げるとみている。

康達国際環保 は9月5日、天津寧河の汚水処理施設第1期および第2期のアップグレードを担当すると明らかにした。両施設の水処理能力はそれぞれ1日当たり3万トン。工期は16年9月から17年第1四半期までの予定で、設備投資額は8500万元に上る。同プロジェクトは汚水処理施設の現行の基準である「グレードI—B」をはるかに上回り、同社が運営する汚水処理プロジェクトの中で最も高水準の「グレード5」となる。アップグレードの完了後、両プラントの汚水処理料金は平均72%アップの1立法メートルあたり2.78元に引き上げられる見通し。

同社はまた、9月7日に河南省鶴壁市山城区の水処理をPPP方式で実施するプロジェクトを落札したと発表した。このプロジェクトでは2年間ずつ3期に分けて建設が行われる予定で、総工費は推定で21億元に上る。第1期にはこのうち7億5000万元を投じる計画。建設の請け負いで発生する収入に加え、施設の運営管理費として年間1260万元の収入が見込まれる。

経営陣がBOCIに語ったところによれば、PPPプロジェクトの建設費は政府債やグリーンボンドを裏付けとするため資金調達は円滑に行われる見通し。運営管理費は山城区が支払うことになっているが、同自治体には年間4億9000万元の歳入があり、運営管理費1260万元の支出にも問題は生じないという。

BOCIは、同社のバリュエーションが競合に比べ45%のディスカウント水準であり、今回の新期プロジェクト獲得が評価見直しのきっかけになるとみて、株価の先行きを強気の見方に据え置いた。また、天津寧河プロジェクトの貢献を考慮し、同社の16-18年予想利益を1.4-2.6%の範囲で上方修正。これに伴い、目標株価も16-17年予想PER11.5倍、8.4倍の2.10HKドルに引き上げた。湯河プロジェクトに関しては、最終的な契約締結に至るまで予想値に含めないが、17年の第1期工事が着手され次第、17-18年予想利益をそれぞれ10.5%、9.2%上方修正する方針を示している。