物流ハブ大手を目指し投資拡大、成長性を評価しカバレッジを開始

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00152 深セン国際集団 (シェンジェン・インターナショナル)  12.80 HKD
(09/08現在)
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深セン国際集団は有料道路および物流インフラ施設に関する投資、建設、運営を担っている。過去10年間、有料道路部門が売上高の80%以上を占めてきたが、今後は高度なサービスを展開する全国規模の総合物流ハブ運営を主力とする企業への転換を図っている。BOCIは同社の物流会社としての将来性を評価。物流事業の成長と有料道路事業の安定収入を踏まえ、同社の15−18年コア純利益の年平均成長率を13.5%と予想し、株価見通しを強気とした上でカバレッジを開始した。

同社は現在、深セン、南京、煙台に5つの物流センターを保有。総面積は63万7000平方メートルで、それぞれ高い入居率を誇り、特に深センの華南物流パークと南京のケミカルパーク物流センターは平均で97%の入居率を維持している。BOCIは、既存物流センターの16−18年賃料が年平均6%上昇すると予想。今後も安定した成長を見込んでいる。

同社はこれまで中国南部で物流事業を成功させてきたが、今後は全国的な事業展開を狙い、18年までに国内流通の要となる15都市に進出する計画を発表。瀋陽、無錫、武漢、天津、石家荘、長沙、杭州、貴州などで総面積およそ420万平方メートルの総合物流ハブを新たに建設・運営するプロジェクトに着手した。各自治体から投資計画の合意を得ており、開発に向けた用地の使用権を取得中で、無錫、武漢、合肥ではすでに建設を開始した。3都市では開発中の35万平方メートルのうち、13万平方メートルの施設が16年下期中に稼働する予定であり、プロジェクトの進捗は順調。新規施設を加え、同社の物流施設の総面積は16年末に103万4000平方メートル、17年末に135万7000平方メートル、17年末に187万1000平方メートルに拡大する見通し。BOCIは、16−18年の同社物流事業の売上高がそれぞれ前年比2.3%増、35.9%増、43.6%増で推移すると予想している。

一方、現在の主力である有料道路事業は、15年売上高の71.3%を占めた(物流は28.7%)。有料道路事業は今後の利益成長エンジンにはならないものの、市況の影響を受けにくい安定した収入源として引き続き同社を支える見通し。

BOCIは同社の目標株価を17年予想PER16倍の14.90HKドルに設定し、カバレッジを開始。物流事業の高い成長潜在性と、深セン・香港株式市場の相互取引の恩恵を考慮し、株価の先行きに対して強気の見方を示している。リスク要因として、中国経済の減速が物流パークの稼働率や賃料に影響する可能性、有料道路事業が政府の保護下にあり、事業の利権や通行料が政府の手に委ねられている点を挙げた。