16年4-6月期に196%増収、教育事業やAR/VR分野に成長潜在力

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00777 網龍網絡 (ネットドラゴン)  26.15 HKD
(09/01現在)
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2015年11月に買収した英プロメシアン(教育ソフト・ソリューション会社)の好業績を受け、ネットドラゴンの16年4-6月期の売上高は前年同期比196%増、前期比37.7%増の7億8700万元を記録し、市場予想を21%上回った。営業利益は920万元と、これも市場の営業赤字予想を超える水準だった。BOCIは教育事業の国内外での力強い成長を見込むとともに、16年下期-17年に複数の有力ゲームを新たに投入する見通しに言及。さらに拡張現実(AR)、仮想現実(VR)分野に積極的に参入するとの期待を示した上で、同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

16年4-6月期には純損失を計上したものの、決算内容は堅調。中国国内、国外の教育事業はそれぞれ前年同期比45.5%増収、93.5%増収となり、市場予想を上回った。また、ゲーム事業も24.2%の増収を確保した。ゲーム部門は16年下期から17年にかけ、人気IP(知的財産権)ベースの独占ゲームタイトルに照準を合わせる見通しという。一方、16年4-6月期には教育事業の季節効果などが追い風となり、同社全体の営業利益率(非GAAP)は1-3月期のマイナス19.6%からプラス3.6%に転じた。

教育事業は急成長を遂げており、プロメシアンが展開するオンライン・コミュニティーソフトのクラスフロー(ClassFlow)とインタラクティブハードの売り上げ、ユーザーエンゲージメントはともに上向いた。BOCIはこの両商品について、浸透度の向上や地理的な市場の広がりを予想。特に海外での教育ビジネスの安定成長に寄与するとみている。一方、中国国内では16年上期に4800万元の受注を獲得した。同社独自の教育ビジネスブランド「華漁」(Huayu)について、BOCIは16年下期の売上高が前年同期比113%増の8650万元に達するとみている。

今後はコンテンツの拡充や収益化、さらにオンライン教育事業の協調体制に必要とされるパートナー支援において、AR/VR製品が重要な役割を担う見通し。同社はまた、新たなゲームタイトルやオフラインの主要プロジェクトにおいても、AR/VR技術を導入する計画を明らかにしている。

レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因として、BOCIは国内の教育政策を取り巻く不透明感や、長期的に運営しているPCゲームが予想外に減収に転じる可能性、人民元為替相場に関するリスク――を指摘した。

BOCIは教育事業の成長見通しを反映させる形で、16年、17年の予想売上高を各16.3%、16.5%増額修正し、新たに30億元、37億元に設定。17年の予想純利益も23.9%引き上げ、6350万元とした。ゲーム、教育という二つの主力事業や、教育部門における華漁、プロメシアンという異なるブランドの存在を考慮し、STOP(セグメントごとの積み上げ方式)に基づき目標株価を上方修正。株価の先行きに強気見通しを継続した。