16年中間決算は予想通り、新規受注好調で中期見通し楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01186 中国鉄建股フン有限公司 (チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)  9.62 HKD
(08/31現在)
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中国鉄建の2016年6月中間決算は前年同期比1.5%増収、9.2%増益となり、市場コンセンサス予想(11.7%増益)から小幅に下振れたものの、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。BOCIは16年通期の増益率を前年比4.2%と予想しており、この数字はコンセンサス予想よりやや慎重。ただ、同社の新規受注が16年上期に前年同期比18.2%増加したことについて、BOCIは中期成長期待につながる力強い伸びを達成したと評価。同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

16年6月中間期の売上高は前年同期比1.5%の伸びとなったが、これは主に調査部門と不動産開発部門がそれぞれ同15.2%、27.2%の増収を達成したため。主力のインフラ建設部門の売上高は1.1%増とほぼ横ばいだった。商品・サービス構成の改善により、同社全体の粗利益率は前年同期の8.1%から8.6%に上昇。また、販売管理費の対売上比率は前年同期比0.4ポイント上向いたが、財務費用が同22.1%縮小し、増収率を上回る利益成長率を支えた。BOCIは建設銘柄にとって、1桁台後半の増益率は悪くない数字と受け止めている。

営業キャッシュフローは売掛債権の増大を受け、17億4000万元のマイナスに転じた。同業の中国交通建設(01800)の営業キャッシュフローも156億元のマイナスとなり、両社が似通った傾向を見せた。BOCIは大手ゼネコン銘柄が往々にして、同種のトレンドを示すと指摘している。

一方、新規受注の好調は中期見通しの改善につながる要因。16年上期には長距離鉄道、都市鉄道、地方公共事業、調査・設計事業などの受注増が寄与し、同社全体の新規受注が前年同期比18.2%増加した。同社経営陣が示した通期目標の44%、BOCIの通期予想の36.7%を上期中に達成したことになる。BOCIはこれに伴い、通期予想を前年比8%増から10%増に上方修正した。

BOCIは利益見通しと目標株価を据え置き、現行の予想水準と目標レベルは達成可能との見方を示している。16年通期の売上高、純利益についてはそれぞれ前年比4.5%増、7.7%増を見込み、中国のインフラ投資の加速期待を背景とする建設銘柄への投資において、同社を最有力視。現在株価が16年予想PER8.3倍にとどまることに言及し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。同社の潜在リスク要因としては、中国政府が提唱するPPP(官民連携)プロジェクトが遅れる可能性を指摘している。