16年7-9月期決算が予想下振れ、機関車需要はこの先回復へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03898 株洲中車時代電気 (CRRCタイムズ・エレクトリック)  40.95 HKD
(10/19現在)
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株洲南車時代電気の2016年7-9月期決算は、売上高が前年同期比横ばいとなり、純利益は同13%減少した。1-9月期も同1.4%減益と低調で、BOCI予想(2%増益)を下振れた。BOCIは機関車需要の低迷などを考慮し、16-18年の利益見通しをそれぞれ3.9%減額修正。これに伴い目標株価を引き下げ、同社株価の先行きに対して中立見通しを据え置いている。

7-9月期には粗利益率が38.2%と、前四半期の36.4%から改善。財務費用もわずか940万元と、前四半期の1億2580万元から激減した。ただ、その一方で販売費及び一般管理費(SGA)が前年同期比3.9%増加し、同期の減益の主因となった。

1-9月期では、売上高は前年同期比9.4%増、純利益は同1.4%減。粗利益率の後退や財務費用の増大、SGAの増大が減益要因となった。BOCIによれば、主要収入源であり、かつ利幅が最も大きい機関車の需要萎縮が業績下振れを招いた。ただ、国内の鉄道貨物輸送は9月にプラス成長に転じるなど回復傾向を示しており、今後は機関車需要の改善が期待できるという。

BOCIは機関車需要の萎縮を一時的な現象と捉え、今後も旺盛な鉄道開発投資や都市鉄道網の整備が車両設備需要の伸びを後押しするとの見方。機関車需要の低迷や高速鉄道需要の小幅の後退を「過渡期の現象」と受け止めている。

7-9月期決算の下振れを受け、BOCIは16-18年の利益見通しを各3.9%引き下げた。16年の収益予想はこれで、前年比3.8%増収、同2.0%減益となる。また、引き続き16年予想PER15.5倍(ヒストリカル平均値)をあてはめた上で目標株価を引き下げ、同社株価の先行きに対する中立見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在要因としては、親会社の中国中車(01766)から買収したIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)事業の経営リスクを挙げている。