16年6月中間期に黒字転換、粗利益率の改善がサプライズに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02331 李寧 (リネイ)  4.13 HKD
(08/11現在)
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李寧は2016年6月中間期に純利益1億1300万元を計上し、黒字転換を果たした(前年同期は2900万元の純損失)。売り上げの伸びと粗利益率の改善が背景。4-6月期の既存店売り上げ伸び率が1桁台後半に達するなど、販売状況が上向き、期末時点の在庫回転日数は6.8カ月に改善した(15年末は7.1カ月)。BOCIは7-8月もこうした回復の勢いが続くとみている。また、卸売売上高の1桁台後半の伸びや10-15%の在庫補充需要の伸び、ネット通販売り上げの好調などを理由に、17年には2桁増収を達成するとの見方。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

16年上期には新製品販売の回復や高利益率のネット通販業務の成長、小売部門の値引き率の縮小を受け、粗利益率が46.7%に改善。前年同期比で1.4ポイント上向くというポジティブサプライズとなった。小売販売に占める新製品の割合は前年同期の69%から76%に上向いたが、これは15年に実施した積極的な在庫処理が背景。BOCIはこの割合が段階的に80%まで上昇するとみている。小売部門全体の値引き率は上期に30%台前半で、前年同期の30%台半ばから改善傾向を示した。

営業キャッシュフローは16年上期に3億4500万元のプラスに転じ、BOCIは採算性改善の兆しと受け止めている。同期には売上高が増加する中、売掛債権残高が緩やかに縮小した。支出サイドに目を向けると、総営業経費は前年同期比11%増にとどまり、増加率は増収率を下回った。BOCIは同社の旺盛な新製品投入意欲に触れ、今後は新製品開発向けのR&D費用(16年上期の対収入比率は1.6%)が増大するとみている。

競技種目別に製品を見ると、同社平均を上回るペースで成長しているのは、バスケットボール、ランニング、フィットネスなどの主要カテゴリー。15年下期以降、新製品を相次いで投入したことが寄与したためで、特にスマートランニングシューズ(1足当たり200-500元)の売れ行きが好調だった。BOCIによると、16年上期には総売上高に占めるネット通販の割合が13%(前年同期は6%)まで上昇したが、これは主にランニングシューズの貢献。ネット通販は営業利益率が30%台に上るなど採算性が高く、経営陣はネット通販の売上構成比を長期的に20%に引き上げる目標を掲げている。

BOCIはレーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスク要因として、在庫処理状況、あるいはコスト管理状況が予想を下回る可能性を指摘しながらも、DCF(割引キャッシュフロー)モデルに基づいて目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。